危機の時こそ、未来への進化のチャンス
出木場 久征 取締役 兼 副社長執行役員 兼 COO 兼 HRテクノロジー事業担当
リクルートグループは、創業からの60年間、変わりゆく人材業界のニーズに応えるために常に自らを進化させてきました。進化のためにいつも大切にしてきたことは、「もっとよい方法はないのか」と自問し続けることです。時代が変わってもこの原則は変わりません。HRテクノロジーSBUは、この問いかけを日々繰り返すことで新しい発想を生み出し、求職や採用に関わる様々な課題をテクノロジーの活用でより良いものに進化させることを目指しています。
Indeedは、インターネット上に散らばっていた求人情報を、一つのサイトに集約するアグリゲーション技術によって求職プロセスの効率化を実現し、Glassdoorは、求人情報にユーザー投稿のレビューを組み合わせることで、企業の雇用条件など職場情報の透明性を高め、求職者の仕事探しや企業検索、評価の方法に変革をもたらしています。両社ともに、テクノロジーを活用してより簡単に最適な仕事や人材が出会えるようにするという共通の目標のもと、今では60を超える国や地域でサービスを展開しながら、さらなる進化に向けた取り組みを進めています。
例えば、携帯電話が発明される以前の友達との待ち合わせ方法を、どれだけの人が思い出せるでしょうか。かつてのやり方をすっかり忘れてしまうぐらいのイノベーションを起こすことこそ、リクルートグループが目指している「進化」です。仕事を探すためにオンライン検索をするということは、今では当たり前のように私たちの生活の一部になりつつありますが、未来の生活が驚くほど便利になるために、できることはまだまだあります。世界が驚くような圧倒的に便利なプロダクトやサービスを生み出すことが、リクルートグループが社会に提供すべき本質的な価値だと考えており、コロナ禍においてその考えはいっそう確かなものになりました。
今、世界中で何百万もの人々が仕事を失う危機的な状況に見舞われています。今すぐに仕事を見つけたい人と、小売業や医療関連などの今すぐに採用したい企業や組織との速やかなマッチングの実現にグループが総力を挙げて取り組んでいます。そのなかで、「バーチャル採用イベント(英語のみ)」のような、応募から採用に至るまでのすべてのプロセスをオンラインで完結できるサービスが非常に多くのご支持を頂いています。このような新しいテクノロジーを活用したサービスは、求人企業の方々にとってはこれまでのやり方を変更しなければならないものであり、平常時にはなかなか受け入れていただけませんでした。しかしこの危機下において、新たな生活様式への変化に挑戦する企業様も増えており、採用プロセスを圧倒的に効率化するテクノロジーの進化をさらに加速させる貴重な機会が到来していると捉えています。
リクルートグループのミッションは、世界中で「まだ、ここにない、出会い。」つまり、一人ひとりがより自分らしい人生を生きられるような、機会に満ちた選択肢を提供し続けること。このミッションの実現には、まだまだ多くの課題が残されています。HRテクノロジーSBUは、求職と採用の領域においてこれからも技術を磨き続け、未来の当たり前を創出できるよう、進化を続けていきます。