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価値創造の源泉は人

「個の尊重」を継承する仕組み

リクルートグループのバリューズのひとつに「個の尊重 - Bet on Passion」があります。従業員一人ひとりの違いを尊重し、そのユニークな発想や情熱を歓迎する。そしてその情熱が本物ならば、惜しみなく機会を与え応援する、という思想です。創業以来60年間、リクルートグループが個人ユーザーや企業クライアントの変化をとらえ、新しい価値を提供し続けることができた原動力は、この「個の尊重 ‐ Bet on Passion」にあったと言っても過言ではありません。だからこそ、この思想を仕組みとして体現することが重要と考えます。

「個の尊重」のベースにあるのは、一人ひとりの違いを尊重する考え方。創業メンバーが学生時代に学んだ心理学が大きく影響しています。この考え方はやがて、個人の内発的動機を起点に、組織を動かし事業を成長させるマネジメント手法として確立され、後に創業メンバーのひとりが『心理学的経営』として書籍にまとめるほど、体系的に進化してきました。

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「個の尊重」を実現する3つの思想と仕組み

ここでは、今日において私たちが「個の尊重」をどのように実現しているか、ポイントとなる3つの思想を仕組みと合わせてお伝えします。

①「個」をあるがままに活かす

「個の尊重」の根底には、人はそれぞれ異なる好奇心を持ち、異なる個性や強みを持っている、その違いこそが価値を創るという信念があります。誰しも苦手なことやできないことはある。ならば互いに補い合いながら、それぞれが心から夢中になれることを頑張ればいい。異質なもの同士、それぞれの"得意"を持ち寄ることが、結果的にイノベーションにつながる、ということです。

この考え方を体現するための仕組みとして、個人の希望や強みを上司が理解し、会社の戦略ビジョンと直線上になるように成長ゴールを設定する場「Will-Can-Must面談」や、直属の上司以外に横や斜めの視点を交えて個人の最適な仕事のアサインを検討する「人材開発委員会」が運用されています。タスクに個人をあてはめるのではなく、個人に合わせて役割を決めアサインしています。

②「あなたはどうしたい?」と意思を問う

リクルートでは、ことあるごとに周囲から「あなたはどうしたい?」と問いかけられます。それは、一人ひとりの主体性に重きを置く姿勢でもあり、意思のあるところにしか圧倒的な成果は出ないという、成果へのこだわりの表れでもあります。「こうしたらどうだろう?」きっかけは小さな気付きや好奇心であっても、意思を問い、問われ続けることによって、課題解決への強い情熱となります。どんな事業やサービスも、その始まりにはひとりの従業員の「どうしてもこの"不"を解決したい!」という強い意思や情熱が起点にあります。

ですから、従業員が意思をもって何かを実現したいと思った時に、堂々と表明できる機会として「Ring」、「FORUM」、「Indeed大学」といった場を用意しています。創業者江副浩正の言葉「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」にもある「機会」を、日常にも非日常にも溢れさせることが大切です。

③任せて伸ばす

人がモチベーション高く取り組み、達成感を感じられる仕事とは、自分なりの工夫を凝らす余地があり、自己効力感を感じられる仕事です。そのような仕事であれば、たとえすぐに結果が思うように出なくても、内省と学習を通じて成長につながります。ですから私たちは、裁量を渡すことを重視しています。ときにそれは、当人が「身の丈以上」と感じるほど大きな裁量権であることも。強い情熱を持って、主体的に機会を掴みにくる個人に対しては、多少能力が足りなかろうと、その意思に賭けて背中を押してみる。それが"Bet on Passion"なのです。

人材派遣SBUにおける「ユニット経営」や、HRテクノロジーSBUにおける買収直後のガバナンス方針においても同様です。各組織の裁量権を高めることで、責任者の主体性を引き出し、組織の成長のスピードを高め、質の高い意思決定につながると考えています。未経験でも多少の失敗は許容して任せてみる、背伸びするくらいがちょうど良い。スタートアップだったころから現在まで引き継がれている考え方です。

個人の強みや弱みをあるがままに受け入れ、個人の内発的動機を最大限に引き出し、その可能性に期待し任せる仕組みは、海外の経営学者から「日本的でも欧米的でもない、ユニークな人材育成手法」と評価いただくこともあります。自らのコンピテンシーを自覚しつつも、時代の変化に合わせて進化し続け、今後も社会からの期待に応え続けられる組織でありたいと思います。

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2020年09月30日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。