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教育現場と共に学びをもっと新しくする 『スタディサプリ』

愛知県立高校のオンライン学習移行を密着サポート

株式会社リクルートが提供するオンライン学習サービス『スタディサプリ外部サイトへ』は、サービス累計有料会員157万人(2020年12月末現在)が利用するサービスです。実力派講師陣による講義動画が小学校高学年から大学受験生向けまで4万本以上揃っており、個人の利用者のほか、高校を中心に学校単位でも活用され、全国約5,000校のうち2,000校で導入されています。

愛知県立高校183校、生徒122,179名にサービス提供が決定。しかし教育現場は混乱していた

新型コロナウイルス感染対策のため、2020年3月より全国の教育機関は臨時休校に入りました。愛知県も例外ではありません。
それまでも愛知県の県立高校では自主的に、教員によるオンライン学習動画の撮影・編集に取り組んでいました。生徒の反応を見ながら進めていた従来の授業とは違い、反応がわからない授業。果たして伝わるのか不安なまま、何度も撮影を繰り返し、教員たちは疲弊していました。
一方、生徒たちは、休校による学習の遅れに加えて、大学入試の大幅改訂を控えて情報不足による不安、進路決定のためのオープンキャンパスがないことへの戸惑いなどを抱え、解消する手段がないまま春を過ごしていました。

そんななか愛知県の主導で、全県立高校への『スタディサプリ』の提供が決定したのです。

その年の6月、愛知県の全県立高校の生徒に、『スタディサプリ』のアカウントが配布されました。これにはSNSでも生徒や保護者から喜びの声が聞かれました。実力派講師陣による講義動画は、学習の遅れを取り戻すのに有効そうだと。
しかし、教員の多くは突然決まった民間サービスの導入に戸惑っていました。教育のICT*1化が日本で最も遅れていた愛知県では、それまでの3年間で『スタディサプリ』を導入していた学校は少なく、周囲に『スタディサプリ』に詳しい教員仲間も少なく、新しいサービスをどのように活用すればよいのか、教員たちはわからなかったのです。

この不安に寄り添って、導入校のスムーズな『スタディサプリ』活用を実現したのが、営業チームを率いた木村と河瀬でした。彼らはコロナ禍の数年前から愛知県に対して教育のDX*2推進を提案していました。

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サービスの利用促進ではなく、学校側が抱える課題を『スタディサプリ』で解決したい

導入決定後、ICTに慣れていない各学校への活用促進が何より大変だったと河瀬は語ります。
「先生方にとっては、よく知らないサービスを突如使わなければならなくなったことがまずストレスです。また学校にはそれぞれ個別の事情があります。例えば、専門高校は普通科高校とカリキュラムの違いがあるため、普通科高校向けのサービスをそのまま展開することは難しいこと。教員のICT理解度に差があるため学年やクラスによって生徒の活用に差がでてしまうこと。そのような状況において『スタディサプリ』の活用方法は一つではありません。1校1校の問題に寄り添い、解決するための活用方法を個別に提案しました。新人を含む営業担当全員が、一日中、高校の一室を借り、サービスの細かな使い方の説明などハード面のサポートを実施。同時に、先生方のICT活用に対しての不安や要望に耳を傾けてきました。」

地道な活動の結果、次第に上手に活用できる教員が数名現れ、その教員に促され生徒も効果的に活用するという流れが生まれ始めました。例えば、教員が生徒の学習理解度にあわせて、復習あるいは予習のための動画や課題を『スタディサプリ』上で指定する。『スタディサプリ』を持て余していた生徒も、自分に合ったコンテンツが分かることで学習が楽しくなる、という具合に。生徒からは「休校で遅れていた分を動画を見直すことで取り戻せた。学校の授業で受けて苦手だったところとか、理解がイマイチだなというところを、再生ボタンを押すだけで何回でも見られるからすごくためになる」などという声があがっています。

同時に、これまで宿題のプリント作りや採点に追われていた教員は、その時間を生徒たちのコンディション把握や対話に振り向けることができるようになりました。営業担当は、上手に活用している教員のナレッジシェアを促進する活動にも注力しました。その結果、ICTに抵抗があった教員の理解も少しずつ進み、前向きな声が聞こえるように。「ICTの見方が変わった。これまでは自分の仕事がICTに奪われると思っていたが、『スタディサプリ』はむしろ自分たちを助けてくれる。補助教材としてうまく活用すれば、時間を創出でき、生徒の細かな異変に気付くことができるのだと知った」「16年間教員をしてきて、ある程度慣れで業務をしてきた部分もあったが、生徒と向き合う時間をつくることや生徒の基礎学力向上のためにもっと出来ることがあると気づかされた」。
生徒の学びのために導入された『スタディサプリ』は、教員の"仕事の仕方"も変えていったのです。

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現在は愛知県の全公立高校がログインし、80%の学校が宿題を配信するまで活用が進んでいる

現場からプロダクト改善へ「速く」接続することで、より使われるサービスへ

『スタディサプリ』では、プロダクトの開発において、利用現場のニーズに素早く応えることをモットーとしています。今回の取り組みのなかからも、特別支援学校に通う保護者向けのサポートや、日本語がわからない生徒向けのサポートが必要であることなどを営業担当が発見し、即座に開発担当に接続。連絡帳機能や日本語授業のコンテンツ追加などにつながっています。
「サービスを使っていただくことで活用現場の声を集めることができ、そこから地に足の着いた仮説が生まれ、それがプロダクト開発、よりよいサービスつながるというサイクルを実感しています。プロダクトを進化させ続け『スタディサプリ』を教育のインフラとして支持されるものにし、将来的には日本を世界一教育の質が高い国にしたいです」と河瀬。

サービス品質への信頼と、『スタディサプリ』の学習効果が認められ、2021年度も愛知県は公立高校での利用継続を決定しました。

「小さいながらも世の中の未来を少し良くしている実感があります。教育は俗人的な部分も大事ですが、ICTをうまく活用し、その分創出できた時間で、教員が子どもと真に向き合い課題を解決していくことが今後ますます重要になると思います」と木村。

これからも『スタディサプリ』は、"世界の果てまで、最高のまなびを届けよう"を実現するために、多くの人の「学びたい」を応援していきます。

*1
ICT教育=Information and Communication Technology(情報通信技術)の略で、教育現場で活用される情報通信技術そのものや取り組みの総称
*2
DX=デジタルトランスフォーメーション。デジタル技術による業務やビジネスの変革

*インドネシアとフィリピンでは『Quipper』を展開

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木村 健太郎(きむら けんたろう)

株式会社リクルート ディビジョン統括本部 まなび教育支援ディビジョン 支援推進2部 部長

愛知県出身。2002年株式会社リクルート入社。その後『ケイコとマナブ』の営業、『フロム・エー』『タウンワーク』の商品企画と営業企画、『ゼクシィ』の営業企画マネージャーを経て、2014年より『スタディサプリ』へ。東京名古屋大阪の部長を務める

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河瀬 和雅(かわせ かずまさ)

株式会社リクルート ディビジョン統括本部 まなび教育支援ディビジョン 支援推進1部 首都圏2グループ マネージャー

2008年株式会社リクルート入社。まなび領域にて「大学・短大・専門学校」の募集課題解決の営業、「営業企画・事業推進」を経て2016年7月より『スタディサプリ』の部署へ。東海地方の高校現場の課題解決を行い、2021年4月より現職

2021年04月15日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。