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Start People Franceに学ぶ、ダイバーシティな職場とは?

フランスで派遣事業を展開しているStart People Franceが、“Best Workplace for Women 2021”に選出されました。Start People Franceでは、全従業員900人のうち、女性が82%を占めます。管理職に限っても70%の高水準で推移しており、これはフランス全体の平均50%を超えています。女性が活躍しやすい職場の秘訣とは何か、Start People Franceの事例からご紹介します。

「誰もが働きやすい職場」の追及が女性活躍の推進につながる

「期待を裏切るようですが、Start People Franceでは女性と男性という区分で見たときに、女性従業員に対して何か特別なことをしているわけではありません」と述べるのは、RGF Staffing France(注1)で人事部長を務める Mariana Lemercier。「性別、家族構成、国籍、職務経歴など、一人ひとりの人生はそれぞれ異なっています。私たちは、従業員一人ひとりがどうしたらより働きやすくなるかを考え、必要なことを日々積み重ねているだけ。あらゆる不平等をなくし、フラットな職場を実現することで、結果として女性にとって働きやすい職場になっているのだと思います」

(注1) RGF Staffing FranceはStart People Franceブランドを展開している企業

実際Mariana自身も東欧のモルドバ出身ですが、フランス国籍でないことが昇進の妨げになることはありませんでした。「私たちはかねてより社内外の差別撤廃に本気で取り組んでいます。性別や国籍はもちろんのこと、年齢、苗字、障がいの有無、妊娠の有無、居住地、外見等、あらゆる項目で差別されることがないよう、職場での差別撤廃を徹底するほか、クライアント企業へも働きかけ、Start People Franceの派遣スタッフがいかなる差別にも遭わないよう心を配っています」

フランスの法律で定められている24の差別項目を��紹介するイラスト

フランスの法律で定められている24の差別項目。差別による不利益を被る人がいないよう、職場と派遣先企業で啓発活動を行っている。

誰もが働きやすい職場を実現するための取り組み

では、誰もが働きやすい職場を実現するために、Start People Franceでは具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。

「1つ目は、従業員同士の距離が近いことが挙げられると思います。フランス全土に230以上あるStart People Franceの各支店では定期的に『派遣スタッフを祝う日』というイベントを開催しており、イベントの準備などを通して従業員は結束を強めます」

Start People Franceの支店で「派遣スタッフを祝う日」を楽しむ従業員たち

Start People Franceの支店で「派遣スタッフを祝う日」を楽しむ従業員たち

「また、従業員と経営陣の距離が近いことも特徴で、質問や提案があれば誰でも直接経営陣に連絡をすることができますし、新しく参画した従業員へは経営陣とのランチミーティングを設けるなど、1日でも早く職場になじめるよう私たちもサポートします」

Start People France従業員がピクニックをしている様子

ピクニックやサイクリングを通じて仲を深める支店も

「2つ目は、子どもを持つ従業員への配慮です。産休・育休などの長期休暇から復帰する従業員へは必ずフォローアップ面談を設ける、朝早く/夜遅くには打ち合わせを入れないといった基本的なことのほか、新学期の初登園/登校日などの重要なタイミングで休暇を取れる制度もあります。さらに、3歳未満の子どもを持つ従業員に対しては、養育費用へ充ててもらうための金銭的な支援も始めました」

また、管理職として活躍する女性の存在自体も社員へよい影響を与えています。管理職で働く女性の姿を間近で見ることで、より多くの女性従業員が昇進への意欲を高く持つようになり、結果的に会社への定着率も上がっているのです。定期的なキャリア面談も、従業員の長期的なキャリア形成の一助となっています。

こうした各種取り組みの結果、Great Place To Work🄬による調査外部サイトへ(注2)では、Start People Franceの従業員のうち74%が、同社におけるワークライフバランスを高く評価しました。

(注2) フランス語のサイトに遷移します

DEIは事業拡大のためにも欠かせない要素

2021年にはフランスで新たに15支店を立ち上げ、年間100人のペースで採用を続けていくというStart People France。成長のためにも、DEIは欠かせないと言います。「私たちは毎年、13万人の求職者と1.8万社の企業クライアントと向き合っています。求職者と企業クライアントに寄り添い、様々なニーズに応えていくためには、異なる経歴やスキルを持つ人材の登用が欠かせません」

2021年に開設したフランス中部Loudéacの新オフィスにたつ3名の従業員

2021年に開設したフランス中部Loudéacの新オフィス

「今回Great Place to Work🄬からBest Workplace for Womenの賞をいただけたことは従業員一同大変誇らしく思っており、また求職者と採用企業の間に立つ者として双方によい影響を与えることができると期待をしていますが、私たちとしては一方で、男性従業員比率が少ないことを課題と捉えており、今後より多くの男性にも応募いただける職場となるよう環境を整えていきたいと思っています」

世界の多くの企業では、女性管理職や女性従業員比率を上げることに苦心をしていますが、Start People Franceでは逆に男性従業員比率を上げ、よりバランスのよい職場に近づけることが当面の目標だとMarianaは語ります。

「Start People Franceでは今後、障がいを持つ方や難民の支援にもますます力を入れていく予定です。そうした方々をしっかり支援していくためにも、性別や国籍で語るのではなく、様々な背景・スキルを持つ従業員が輝ける職場にしていきたいのです」

マリアナ・ルメルシエ(Mariana Lemercier)、RGF Staffing France人事部長

マリアナ・ルメルシエ(Mariana Lemercier)

RGF Staffing

2020年1月よりRGF Staffing Franceの人事部長として、人事管理、労働組合との関係調整、従業員向け研修のコーディネートなどを担当。以前は、社会法の弁護士としてStart Peopleに7年間勤務

2022年08月01日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。