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Glassdoor(グラスドア):より活発な職場の情報交換の実現を目指し、「口コミ」サイトから「コミュニティ」へ進化

2023年7月18日、リクルートグループのGlassdoorはリブランディングし、新たなブランドシンボルなどとともに、職場の口コミが閲覧できる求人情報検索サイトから、職場についての情報交換が日々繰り広げられる「コミュニティ」に生まれ変わることを発表しました。その背景と目指す世界観について、Glassdoor CEOのクリスチャン・サザーランド=ウォンに聞きました。

Glassdoorとは:これまでの歩み

Glassdoor(グラスドア)は、2007年に米国カリフォルニアで創業された、求人情報検索サイトを運営するテクノロジー企業です。2018年にGlassdoorはリクルートホールディングスの子会社となり、姉妹企業のIndeedとともにHRテクノロジー戦略事業ユニット(SBU)を構成する企業として、すべての人に透明性の高い企業情報を提供するべく、求人情報と企業に関する口コミ情報を収集・掲載してきました。近年はコミュニティ機能も備え、ユーザーはGlassdoor上のコミュニティに参加することで、コミュニティ内の人たちと職場についてリアルタイムで率直な対話をすることが可能です。

リクルートグループのグローバル人材マッチング市場での事業を説明した図

ユーザーからの口コミは、企業評価・CEO評価・給与・福利厚生といった基礎情報から、採用面接時の質問項目や感想に至るまで多岐にわたり、世界20か国で集められた口コミは累計1億5千万件以上、月間UV数は5,500万を超えます(注1)。まるで透明なガラス(Glass)の扉(Door)を通して覗いてみるかのように、社外の人も入社する前から企業の中を垣間見ることができる「Glassdoor」は、就職活動中の人たちにとって重要な情報源となってきました。また企業にとっても、Glassdoor上のカンパニーページは、自社のことを求職者に知ってもらうアピールの場となっています。

さらに、2021年には、100万人超の働く人がキャリア、業界、職場に関して活発なディスカッションを行うソーシャル・ネットワーキング・サービスのFishbowlがGlassdoorに加わり、2022年には、ユーザーが関心のあるトピックについてグループを作成して相互にコミュニケーションができる「コミュニティ機能」がGlassdoorのモバイルアプリに導入されるなど、コミュニティへの変貌に向けた歩みが着々と進められてきました。

(注1) Glassdoorデータ

就職活動の時だけ見る口コミサイトから、毎日訪れる「コミュニティ」へ

そして2023年7月、新たなカンパニーロゴとともに、アプリやウェブサイトのデザインも一新してGlassdoorはリブランディングを実行しました。そして今回のリブランディングの目玉として押し出されたのが、コミュニティ機能です。

デザインが一新されたGlassdoorのウェブサイトのスクリーン

デザインも一新されたGlassdoorのウェブサイト

ユーザーは、「テック業界」「ワーキングマザー」などの名前が付いた「Bowl(ボウル、鉢の意)」と呼ばれるコミュニティに参加することで、特定の業界や企業で働く人とつながったり、仕事についてのアドバイスをもらったりすることができます。また「Company Bowl™」と呼ばれる社内のプライベートな会話スペースでは、同僚とのリアルなチャットを行うことも可能です。いずれも、ユーザーが匿名レベルを各自で設定たうえで参加できるデザインになっているため(注2)、面と向かっては聞きにくい個人的な質問がしやすいなど、本音で話しやすい空間になるよう配慮された設計になっています。

(注2) ユーザーは、個人情報の公開レベルを自由に設定することができ、特定の企業の従業員であることを明かした上で利用することも、職位のみを公開して会話することも可能

Bowlのデスクトップスクリーンのイメージ

Bowlのデスクトップスクリーン

「本音で語り合いたい」求職者・従業員・経営者のニーズに応えた今回のリブランディング

このリブランディングの背景について、Glassdoor CEOのクリスチャンに聞きました。

なぜいまリブランディングに取り組まれたのですか?

Christian:

コロナ禍以来、世界は変わりました。日常生活のあらゆる場面でソーシャルアプリが利用されるようになって、ウェブサイトはモバイルアプリに取って代わられました。リモートワークの普及で職場は一つではなくなり、以前と比べると対面でのやりとりもぐっと減りました。それを受けて、Glassdoorに求めるものも変わったことは背景の一つとしてあります。

どんな新しいニーズが生まれているんですか?

Christian:

若い世代は、より高い職場の透明性を求めています。そして、そんな世代が徐々に経営をも担うようになってきています。企業文化の持つ力、何より事業を強力に推進する力を、非常によく知っていて活用しようとする世代です。求職者、従業員、そして経営者からも、もっとつながりたい、もっと透明性の高いコミュニケーションをしたい、という新たなニーズが出てきています。

経営者もつながりたいニーズがあるのですか?

Christian:

そうです。経営者に自分の声を聞いてもらいたいという働き手からのニーズ、逆に社内で何が起こっているのかを知っておきたいという経営者からのニーズも高まっています。それがより良い職場体験につながるからです。こういったニーズにGlassdoorとして応えるには、求職者、従業員、経営者が、本音で語り合えるプラットフォームを構築するしかないと、私たちはここ数年思っていました。

今回のリブランディングはユーザーにどのような影響を与えるのでしょうか?

Christian:

ユーザーにとってのGlassdoorの価値、活用方法が変わります。年に数回、仕事を探しているときに訪れるサイトから、毎日訪れる価値のあるコミュニティに変わるのです。

企業にとってはどうでしょう?

Christian:

これからはGlassdoor上の企業のコミュニティが、経営者が自社の従業員の声を聞きに行く場所、学びに行く場所にもなると考えています。CEOとしての個人的な経験からも、Glassdoorは、社内で何が起こっているのかを知り、社内のコミュニケーションの指針にすることができる、強力なツールになると言えます。もう従業員アンケートの結果を待つ必要もないんです。このツールを、世界中のCEOに提供できるようになったことを嬉しく思います。

Glassdoor CEOのクリスチャン・サザーランド=ウォン

クリスチャン・サザーランド=ウォン(Christian Sutherland-Wong)

Glassdoor CEO

2015年にVice President兼マネタイズのGeneral ManagerとしてGlassdoorに入社。2018年には初のCOO(Chief Operating Officer)に就任、2019年にはPresidentに昇格し、2020年1月より現職。CEOとしてGlassdoorのミッションである「To help people everywhere find a job and company they love」を主導している。入社前は、LinkedIn社でプロダクトディレクターとしてプレミアムサブスクリプション事業を推進。コンサルティング会社、金融業界での勤務経験も持つ

2023年09月06日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。