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2024年世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議):CEO出木場はじめリクルートグループの3名が世界の労働市場の未来について見解を共有

2024年1月、スイスのダボスに世界のリーダーや企業経営者が集い開催された世界経済フォーラム年次総会(通称ダボス会議)。リクルートホールディングスからは代表取締役社長兼CEOの出木場久征、取締役でIndeed共同創業者・会長でもあるRony Kahanが、IndeedからはチーフエコノミストのSvenja Gudellが参加。主要アジェンダである「世界の労働市場の変化」「労働力の不足」「人工知能(AI)が雇用に与える影響」について、他の参加者やメディアと議論を交わしました。

HRテクノロジーとHRビジネスの両方を多面的に展開するリクルートグループは、仕事の未来が今後どのように変化していくかについて見解を求められ、Indeedのプラットフォームから得られたユニークなデータと、Indeed Hiring Lab外部サイトへおよびGlassdoor Economic Research外部サイトへ(英語サイト)のエコノミストの専門的な知見をもとに、グローバルで実用的な労働市場データと知見を政界・経済界のリーダーたちに提供しました。

リクルートホールディングス代表取締役社長兼CEOの出木場久征

リクルートホールディングス代表取締役社長兼CEOの出木場久征

世界の労働市場には、慎重ながらも楽観的な見方

今回のダボス会議参加者の最大の関心事は、世界の労働市場の状況も含めた世界経済の見通しでした。ダボス会議の期間中は、出木場がジョブ・コンソーシアム(Jobs Consortium外部サイトへ)の会合で、またRonyがグッド・ワーク・アライアンス(Good Work Alliance外部サイトへ)で、さらに数多くのメディアイベントやインタビューを通じて、2024年の世界の労働市場の見通しと、政府・企業・労働者への影響について述べました。

労働市場の見通しについてのポイントは以下の通りです。

※ダボス会議参加者向けの公式ブログ外部サイトへにもIndeed Hiring Labの寄稿が掲載されています。

  • 2024年も2023年と同傾向:2023年の世界の労働市場は、下降トレンドが即ち落ち込みではないこと、冷え込むことなく落ち着くことがあることを証明した年だった。

  • 労働市場の信頼感:2023年に市場を緩和した力が2024年も継続して働くという裏付けがいくつかあり、慎重さは必要なものの楽観的な見方ができる。

  • 健全な労働市場指標:雇用者の需要は和らぎ、求人総数も減少しているが、コロナ禍以前のベースラインを大幅に上回る水準を維持している。賃金の伸びはインフレとともに鈍化したが、多くの市場で労働者の購買力は高まったまま。失業率は低水準にとどまり、レイオフの急増もなく、労働市場の混乱は徐々に沈静化している。

  • 生成AIが仕事に与える影響:生成AIやその他のテクノロジーの活用が進み、そのためのツールを開発する仕事が増えることで、より広範にわたって労働市場が再構築される可能性がある。

さらに、リクルートグループから参加した3名は、こういったトレンドがグローバル労働市場のステークホルダーにもたらす機会と課題に関しても、会期中に行われた様々な登壇機会やインタビューなどを通じて、以下のように意見を述べました。

長期視点での労働力不足緩和に向けた取り組みが必要

今後、主要な労働市場の多くで労働力不足が起きることが予想されています。今回のダボス会議でも、この課題に対応するための長期戦略が議論されました。リクルートグループは、労働力不足を生んでいる根本的な要因とともに、事態打開の可能性についても強調しました。

  • 労働力不足の要因:多くの経済大国において、雇用主は引き続き採用難に直面し、必要な人材が確保できないために生産能力が制限される状態が続くことが予想される。2025年以降、世界中で労働人口の高齢化が進み、労働力プールの規模も縮小することが見込まれている。労働需要が伸び悩んでいてもなお企業が労働力不足を報告している国も多くあり、結果として、製造業はコロナ禍以前のレベルにとどまっている。

2017年から2023年第三四半期までの、労働力不足のために生産能力が制約されているとする企業の割合の推移

採用難は続いている

  • 労働力不足に逆行する動き:労働力不足と同時に労働参加率上昇も起きており、これにはいくつかの要因がある。まず、外国人求職者の関心が回復してきていること。求職者が他国で新たな機会を探す傾向が強まっており、労働市場における労働力の制約を緩和する一助となっている。Indeedのデータによると、多くの主要市場において、検索全体に占める外国人求職者の割合がコロナ禍以前の水準にまで回復しており、上回っているケースもある。また、女性や障がい者など、以前は見過ごされていた労働者が労働市場に参入し、採用難の緩和の一助となっている。

リクルートグループからは、このような労働力不足への対応策の一つとして、自グループで推進しているESG(環境・社会・ガバナンス)に関するコミットメント外部サイトへを紹介しました。2030年度までに「就業までにかかる時間を半分に短縮する」こと、「世界の労働市場で障壁に直面している3000万人の求職者の就業を支援する」ことが宣言されており、HRテクノロジーを活用して労働市場の課題解決に寄与する策と言えます。

変化には時間がかかることを理解したうえで、AIが仕事に与える影響を受け入れることが重要

今年のダボス会議の主要なテーマの一つは、生成AIが世界経済に与えうる影響。生成AIは単なる技術的進歩ではなく、変革を起こす力であることが強調されました。

出木場とRonyは会期中に参加した各種ミーティングにおいて、そしてSvenjaはパネリストとして登壇した米国の大手ニュースメディアCNBC主催のイベント『AI Transforming Work(仕事を変革するAI)』において、IndeedのAI at Workレポート外部サイトへ(英語サイト)やIndeed Hiring Labの最新のリサーチに基づいた知見を共有しました。

  • AIは仕事の生産性を高める:AIツールやその他のテクノロジーは、労働者が日々繰り返し行う作業に費やす時間を削減する。これにより、より多くの労働者が、イノベーションや成長につながる生産的なプロジェクトに集中できるようになる。今後、人間とAIが協力して取り組む仕事はますます増えていき、雇用主は、労働者がいかにAIを活用し、より速く、より多くのことをこなせるかに注目するようになるだろう。

  • AIは多くの仕事に影響を与えるが、取って代わることはない:Indeedに掲載されている米国国内の求人のうち、生成AIの影響を「大きく」受けると考えられているのは5件に1件(19.8%)。生成AIは特定の仕事内のタスクを学習することはできるが、完全に人間に取って代わる可能性は低いことを示している。

  • 失われる仕事の種類を上回る、新たな種類の仕事がAIによって生まれる:歴史的にみても、新しい技術は、失われる仕事の種類を上回る、新たな種類の仕事を生むのが常であり、AIもその例に漏れないだろう。
    まず、
    全雇用に占める割合はまだ非常に小さい外部サイトへものの、生成AIに関連する役割(テクノロジー自体を開発する仕事とテクノロジーを利用する仕事の両方を指す)は、すべての先進国で急増している。これは、AIツールがほんの数年前には想像もつかなかったようなまったく新しい仕事を生み出す力を持っていて、単に既存の仕事で人間に取って代わったり、仕事自体をなくしたりするだけではないことを示している。
    また、AIが変えるのは、歴史的に技術革新の影響を受けたことのない種類の仕事だということも予想されている。Indeedの調査によると、AIの影響を受けやすい職種は、過去に機械化の影響を受けた職種とは異なる。例えば、ソフトウェアエンジニアやマーケティング職は、介護職や看護師よりも、AIの普及による影響を受ける可能性が高い。

  • AIの導入への前向きさが命運を分ける:AIは、労働市場に重要かつポジティブな機会をもたらすもの。AIには課題もあるが、世界が長期的な労働力不足に直面していること、さらにAIが労働者の生産性を劇的に向上させることを考えると、AIを受け入れる人が恩恵を受けることになるだろう。

AIが実際に労働市場に根本的な変化をもたらすまでには、雇用主と求職者、そしてテクノロジーが互いに適応していく必要があり、まだ時間がかかるという見方をリクルートグループは強調しました。しかし同時に、AIによって人間の仕事が今後さらに進化していくことも確信しています。AIは、人間の能力を補強して、テクノロジーと人間のより調和のとれたバランスが実現できると考えるからです。

ダボスでの出木場とForbes編集長Diane Bradyとのインタビュー動画もぜひご覧ください。

2024年01月31日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。