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Chandler Macleod Groupによる太陽光発電プロジェクトへの人材派遣

オーストラリアは現在、これまでの化石燃料ベースのエネルギーシステムから、再生可能なエネルギーシステムへと移行する重要な過渡期を迎えています¹。現時点で、2025年までに国全体が必要とするエネルギーの50%を再生可能エネルギーで賄うという目標に向かって順調に計画が進められています。

リクルートグループの一社であるChandler Macleod Group(以下、CMG)は2018年、Beo Energy Solutions社が新たに建設中の、112メガワットの発電が可能なKaradoc Solar Farmにおける人材募集を担いました。Karadoc Solar Farmは国内トップクラスの太陽光発電システムを持ち、日照時間が安定しているビクトリア州北西部の郊外から、同州の11万戸もの家庭に電力を供給する国内最大規模のプロジェクトの1つです。

社会への貢献

この人材募集プロジェクトでは、多様なバックグラウンドを持つローカル人材で、300人のチームを作るというものでした。Karadoc Solar Farmの近くには人口約53,000人のミルデュラという町がありますが、約35kmも離れています。ミルデュラは農業と畜産業が中心の町ですが、長期失業給付を受けている住民の割合はビクトリア州の平均(8%)の約2倍と高く、経験者はおろか、人材の確保が困難でした。

CMGは6つの地域コミュニティと連携して、先住民や中高年労働者、長期失業者、女性など多様性を重視したチームを作りを行いました。結果として、採用した人の24%が45歳以上、17%が先住民のアボリジニやトレス海峡に位置する島々の出身者と多様な人材を確保しました。

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CMG社からの派遣チーム

建設現場での仕事が未経験のメンバーも多数いたことから、CMGは5日間の事前雇用訓練コースも用意しました。このコースで、候補者は太陽光発電所というものがどのように構築されているのか、また安全を担保するためのプロセスとシステムがどのようなものかを理解しました。約70%ものメンバーが太陽光発電所で働いたことがありませんでしたが、この業界で働くためのスキルと経験を持ち帰ることで次の就業機会を得ることができ、再生可能エネルギーの普及に関わることができるのです。

個人の可能性を引き出す

応募者の中には、10歳に満たない幼い3人の子供を持つ父親、Chrisitian Larsonもいました。Christianは2007年、ビクトリアン・ウォーター・スキー選手権大会に出場しましたが、そこで時速160kmで水面に激突する事故に遭いました。その結果、大けがを負い1年間の入院を余儀なくされました。最初の2カ月間は昏睡状態に陥りましたが、意識が戻った後も、脳の損傷により右腕と脚に障がいが残ってしまいました。

彼にとって仕事に復帰することは大きなチャレンジでした。Christianはけがと障がいのため、安定した職を得ることができずにいたのです。しかし2018年、彼が仕事を求めてCMGのプロジェクトに応募した時、彼は自分のけがと障がいに臆することのないチャレンジ精神を前面に出し、CMGもそんな彼の決してあきらめない姿勢に共感してプロジェクトへの受け入れを決めました。

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Christian Larsen, CMG社(電気技師)

Christianは現在、Karadoc Solar Farmの現場で電気技師として活躍しています。彼は、現在の仕事について、家族を養えるだけでなく、働く意欲を掻き立てる満足度の高いものだと述べています。CMGもChristianの潜在能力を最大限に生かせる機会を提供することにつながりました。

人材の多様性が産業を育てる

オーストラリアの再生可能エネルギー供給企業の多くは、人材の多様性こそが産業全体の成長を支えると考えています。多くの企業が加盟するSolar Energy Industries Association(SEIA:ソーラーエネルギー産業協会)では、多様性のあるチームを作り、より仕事に熱中する環境を作ることで人材を定着させることができれば、生産性が上がり、産業全体が活性化するとされています²。CMGもその考えに賛同し、人材派遣ビジネスで培ったノウハウを用いて、再生可能エネルギー産業の成長に貢献していきたいと考えています。

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Lily D'Ambrosio(Minister for Energy Environment & Climate Change)による現場視察模様

参照記事

  1. レベッカ・パールーマルティネス、ジェニー・C・スティーブンス(2016年)再生可能エネルギーへの移行における人材の性別の多様化を目指して、サステナビリティ:サイエンス、実践と政策、12:1, 8-15, DOI: 10.1080/15487733.2016.11908149

    https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/15487733.2016.11908149外部サイトへ

  2. SEIA.(2018)太陽光産業におけるダイバーシティのベストプラクティスガイド | SEIA

    https://www.seia.org/research-resources/diversity-best-practices-guide-solar-industry外部サイトへ

    (アクセス日:2018年9月18日)

2019年02月04日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。