今、ここでしか経験できない、
グローバル税務の最先端
税務統括部
国際税務ディレクター
宮﨑 幸治

タックスコンプライアンスとタックスプランニングの両輪で
グローバルでの事業成長を支えていく。

私はグローバル税務全般を担当しています。コンプライアンス業務では、事業活動を行っている世界各国での正しい税務申告・納税を担保するとともに、それぞれの国で行われる税制改正に対応します。リクルートグループはIndeedをはじめとするHRテクノロジー事業や人材派遣事業など、世界60ヵ国以上で事業を展開しています。それぞれの国の法令やスケジュールに合わせ、申告書や移転価格の文書等、必要書類の作成・レビューを行います。税務統括部内で国際税務を担当しているのは5名しかいませんが、全世界で税理士法人を統一することでチームの一員としてサポートしていただき、グローバルタックスマネジメントシステムを活用しながら各事業の税務担当と連携してモニタリングを行っています。

一方で、グループ内での組織再編などが検討される際には必ず税務がプロジェクトに参加し、ストラクチャーのプランニングをサポートしています。税務専門の組織が存在していること自体が珍しい日本企業においては、組織再編やM&Aなどの案件は経営や事業責任者とプロフェッショナルファームの間でストラクチャーが議論され、決定後に税務担当がいる経理部などに実務面での相談が下りてくるケースが多いのではないかと思います。しかし、国や事業をまたいだ再編などの場合、ストラクチャーの組み方によって税リスクや税の非効率が生じる可能性があります。その点、当社においては、私たち税務統括部のメンバーがプロジェクト立ち上げ時から参画して税務面からアドバイスを行うことで、税法を遵守しつつ税コストの最適化に取り組んでいます。

事業のグローバル化が急速に進展し、海外売上比率が高まる中で、グローバル税務の重要性が日増しに高まっていると感じています。これまでは売上規模が小さかった国々でも事業が成長し、対応が求められるケースも増えてきました。各地のスペシャリストたちとコミュニケーションを取りながら事業の状況を把握し、先手を打って対応することが求められます。

現在は、OECDが主導するBEPS2.0プロジェクトへの対応検討を進めています。また、グローバル・ミニマム課税の導入やデジタル・プラットフォーマーに対する課税強化など、グローバルに税制改正の大きな波が起きていて、各国税制への落とし込みが進んでいます。来年、再来年以降の我々の実務に大きな影響を与えることが想定されるため、以前から検討チームを立ち上げて準備を進めているところです。これらは一定以上の売上・取引規模があるグローバル企業のみに適用されるものですから、日本企業で対象となるのはリクルートを含めて数社しかありません。当事者としてこの変化に対峙することはとても貴重な経験だと思いますし、リクルートホールディングスの税務ならではの機会と言えるのではないでしょうか。

日本国内では類を見ない、最先端の税務組織で体験する
事業会社ならではのおもしろさ。

私は公認会計士の資格を取得した後、監査法人に入社しました。当初は会計監査からスタートしたのですが、グループの税理士法人に出向した際に税務への関心が高まり、この道を選びました。プロフェッショナルファームでは、それぞれの担当領域に関する専門性を突き詰めることで、深い知識が蓄積されていきます。一つの専門性を高めるよりは幅広い知識を得たいと思い、事業会社でかつ税務専門の組織がある当社に入社しました。ここでは関わる仕事のすべてが常に新しく、税務以外の様々な人たちと関わりながら仕事をすることができますし、パートナーである税理士法人との距離がとても近く、毎日のようにやり取りをしながら細部までサポートしていただける環境なので、とてもやりやすいですね。ファームから転職してきた身としてはとても驚きましたし、日本企業の中でも最先端の税務組織であると言って間違いないと思います。

また、ファームでの仕事との違いという点では、事業会社では「税」と名の付くものであれば、あらゆるものに対応するという点も挙げられると思います。実際に入社して初めてやる業務が数多くありましたし、税務を知らない営業部門やプロダクト開発部門の担当者と対峙する機会も多いです。彼らも税務の重要性は理解していて、関心も高く、さまざまな質問が飛んできます。また、これは当社特有のことかもしれませんが、色々な場面で専門家では思いつかないような突飛なアイデアが次々に出てきて驚かされます。事業に関わる全員がそれぞれの役割を越えて「事業を前に進めるために何ができるか」と考え抜き、実現不可能なものも含めてさまざまなアイデアを出した中から最適解を探していく。そんな企業文化が根付いていて、税務も事業の一員として貢献することが求められます。それ故の大変さはありますが、日々新鮮な気付きがあり、会話の中で思考を整理できるなど、おもしろさを感じています。昨年、世界各国の従業員を対象とした新しい報酬制度の導入を検討したのですが、各社の人事・財務・経理・法務などさまざまな部署との連携が必要となり、税務の観点だけではなくビジネス全体を俯瞰した検討に参加することで、視野が広がっていく実感がありますね。

常に刺激を与えてくれるハイレベルな仲間とともに、
今、ここでしかできない経験を。

私にとって「仕事を通して何ができるか」も大切ですが、それ以上に「誰と働くか」が大事なことだと思っています。転職してきた際の面接で税務統括部長とお話しした際、事業経営での様々な経験や「事例となる最先端の税務組織を作り上げて日本のコーポレート組織のレベルを引き上げたい」という思いを聞き、「おもしろい人だな、一緒に働いてみたいな」と思ったことが入社の決め手でした。税務統括部の同僚も、事業会社出身の方もいればプロフェッショナルファーム出身の方もいて、それぞれの得意な領域もバラバラなので、多様な経験や知識に触れることができます。入社前に期待していた以上に、皆さんの視座の高さやハイレベルな専門性に刺激を受けています。

また、アメリカやアイルランドにいるHRテクノロジー事業の担当者やオランダにいる人材派遣事業の担当者など、海外で税務を専門としているスペシャリスト達とも日々会話をしていますが、税務において日本よりもかなり進んでいる欧米の知見や考え方はとても勉強になりますし、それぞれ論点も異なるため一つとして同じ案件がなく、飽きることがありません。知的好奇心が強く、自分で調べて考えながら、積極的に行動できる方であれば、常に新しい情報を吸収でき、成長を実感しながら楽しく仕事をしていただけるのではないでしょうか。

これから、グローバルにおける各種税制の見直しという大波の影響を受け、私たち税務を取り巻く環境変化の激しさも増していくと思います。先ほどからお話ししている通り、すでに日本においては税務組織として最先端の状態であると自負していますが、グローバルで戦っていくためにはまだまだ進化しなければなりません。今、この瞬間にリクルートホールディングスの税務にいなければ経験できない機会が目の前にあります。素晴らしい仲間の皆さんとともに、この機会を楽しみたいと思っています。

宮﨑 幸治
宮﨑 幸治(みやざき・こうじ)
国際税務ディレクター
税務統括部
2017年、当社に入社。前職では監査法人にて会計監査、税理士法人にて法人税及び海外赴任者に関する個人所得税に携わった。現在は主にグローバル税務の担当として、様々なプロジェクトに参画している。
2017年、当社に入社。前職では監査法人にて会計監査、税理士法人にて法人税及び海外赴任者に関する個人所得税に携わった。現在は主にグローバル税務の担当として、様々なプロジェクトに参画している。
2022年09月01日
※事業内容や所属などは記事発行時のものです。
※取材時は十分な距離を保ち、可能な限り接触を避ける措置を講じています。また、撮影時のみマスクを外しています。