多様な人材が自分らしく活躍できる企業を増や す第一歩に
ダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)は仕事探しにおける重要な基準のひとつで、いまや企業も優秀な人材を獲得するにはD&Iに関する方針を定めて施策に移していかなければならない時代になっています。
企業情報口コミサイトのGlassdoorでは、2020年9月、企業のD&Iの透明性を高める新機能を追加。その背景、狙い、そして今後の展望を、Glassdoorのチーフ・プロダクト・オフィサー、アニー・パールのコメントを交えてご紹介します。
無くならない職場内の差別と情報の不透明性
Glassdoorが2020年8月に米国で行ったD&Iサーベイ※1の結果は、想像以上に厳しい現実を突きつけるものでした。約半数の黒人(47%)とヒスパニック(49%)が、職場での差別を経験したり周囲の差別を目にしたりしたことが原因で離職した経験があり、白人(38%)と比べて高い割合だったのです。このような状況のため、回答者全体の76%の人が企業を選ぶ際には"人材の多様性"を重視しており、特に黒人・ヒスパニックは80%、LGBTQ※2も79%に上っていました。さらに、全体の32%が「多様性に欠ける企業には応募しない」と答えており、中でも黒人(41%)とLGBTQ(41%)ではさらにその割合が高くなっています。
また、このD&Iサーベイでは、全体の66%が「企業のD&Iの情報源として最も信頼できるのは従業員の口コミ」としており、役員の発言(19%)、企業 ウェブサイト(9%)、リクルーター(6%)などと比べて、口コミのニーズが圧倒的に高いことも分かりました。Glassdoorはこれまで、企業の総合評価・CEO評価・給与・福利厚生などの基本情報から採用面接での質問内容に至るまで、多岐にわたる口コミが閲覧できる求人情報検索サービスを提供してきました。しかし、残念ながらD&Iに関する定量評価の項目はなく、またユーザーがフリーコメントの中でD&Iに言及した口コミは山ほどあるものの、それを検索できる機能はありませんでした。
「もっと簡単に企業のD&Iについての評価を記入・閲覧できる機能を導入することは、私たちにとってごく自然な流れでした。『企業のD&Iの透明性をもっと高めてほしい』というユーザーの要望に応えただけですから。今こそ企業のD&Iの透明性を、もう一段引き上げるべき時で、まだまだ私たちがやるべきことはたくさんあります。」とアニーは言います。

アニー・パール Glassdoor チーフ・プロダクト・オフィサー
※1 D&Iサーベイ:
調査は2020年8月25~31日にかけてアメリカ合衆国の18才以上の就労者もしくは求職者2,745名を対象にオンラインで実施。サーベイ結果全体はこちらのサイトへ(英語のみ)。
※2 LGBTQ:
LGBTは、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)の略。Qはクエスチョニングの略で、自身の性自認や性的指向が定まっていない人のことを指す。
企業のD&Iの状況を見える化する新機能
そこで2020年9月、Glassdoorでは、以下の新機能を追加しました。
D&I定量