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サステナビリティ

気候変動への取り組み

温室効果ガスの削減に向けた取り組みと実績

バリューチェーン全体を通したカーボンニュートラルの達成に向けて、まずはオフィス電力の省エネ・再エネ化に取り組んでいます。省エネ・再エネ電力メニューへの移行が難しいオフィスについては、まずはRE100の要請基準(注1)を満たす「エネルギー属性証明書(注2)」の適用を進めています。

その上で、さらに残余する排出量があれば、カーボンクレジットを活用しています。この際、国際的なクレジット認定機関に認証され、気候変動を含む多様なSDGs課題へも貢献しうる植林による除去クレジットなどを確保し、広く地球環境へ貢献することを目指しています。

当社グループの温室効果ガスの削減実績の詳細については、ESG Data Bookの「Climate Change 気候変動PDFダウンロード」をご参照ください。温室効果ガス排出量の算出方法、算定の対象領域、温室効果ガス排出量、および温室効果ガス排出量の削減への取り組みについて記載しております。

(注1) RE100 TECHNICAL CRITERIA Version 3.0を参照
(注2) エネルギー属性証明書とは、グローバル基準であるGHGプロトコル(排出量算定および報告に関する基準)に基づき、広く認識されている再生可能エネルギーであることの環境価値を示すものです。

リクルートグループの取り組み(スコープ1+2)

リクルートグループ全体の温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)の削減を目指し、グループ各社で事業の特性を活かしながら取り組みを進めています。

サステナブルなオフィスの運営

リクルートでは、各事業拠点において再生可能エネルギーを使用した電力への移行を進めています。現在までに、本社機能を持つグラントウキョウサウスタワー、大阪梅田ツインタワーズ・ノース、九段坂上KSビルをはじめとする国内主要10拠点で順調に切り替えが進んでいます。

グラントウキョウサウスタワービルの画像

こうした取り組みには、ビルオーナーからの理解や協力が欠かせません。リクルートでは、気候変動対策に関する目標や取り組みへの決意を継続的にビルオーナーと共有し、意見交換を通して再エネ使用の必要性について理解を促進し、協力を得られるように働きかけています。

Indeedが社会にポジティブなインパクトを創出するための中心的拠点として、新本社「Indeed Tower」が、2023年8月、米国テキサス州オースティンにグランドオープンしました。建設にあたっては環境やウェルビーイングといったIndeedのサステナビリティへのコミットメントが重視されており、LEEDゴールド認証(注1)の取得が目指されています。具体的には、構造と外壁は最高評価のプラチナ評価を獲得し、内装については今後ゴールド評価の取得を目指しています。

Indeed Towerは、エネルギー性能、公共交通機関や自転車の利用しやすさ、水効率、高度なエネルギー計測、冷媒管理の強化、低VOC製品やリサイクル素材の使用、製品ライフサイクル評価、室内の空気質など、コンセプト作成から入居に至るすべての過程で、環境と人体の健康への影響が考慮されています。

Indeed Towerの画像

(注1) 米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運営し、環境に配慮した建物に与えられる認証制度。

世界中で人材派遣サービスを提供しているRGF Staffingでは、各国の拠点でさまざまな施策を試し、よりサステナブルなオフィスの運営を進めています。

 

アジア太平洋地域
RGF Staffing APEJは出勤とリモートワークの「ハイブリッド勤務」を採用することでオフィスの規模を縮小し、GHG排出量の削減につなげています。

RGF Staffingのオフィスビルの画像

ヨーロッパ地域
RGF Staffing Germanyのオフィスは、ほぼ100%再生可能エネルギー由来の電力で運営されています。RGF Staffing Belgiumでは、LED照明と人感センサーを活用したスイッチの使用が標準になりつつあり、RGF Staffing the Netherlandsでは、新しいオフィスの拠点を決定する際に、よりエネルギー効率のよい場所を選択する仕組みを取り入れました。また、オランダ国内の一部支店では新しい省エネ技術を活用した電力プランを試験運用しており、効果が見られた場合はより多くの支店での活用を検討していきます。

リクルートグループの取り組み(スコープ3)

事業活動におけるGHG排出量の削減に加え、今後はリクルートグループ全体のGHG排出量の95%以上(注1)を占める、バリューチェーンにおけるGHG排出を削減する取り組みを加速します。

2022年度のGHG排出量の内、スコープ3が95%以上を占める様を示す図。内訳は、「購入した製品・サービス」「出張・雇用者の通勤」「その他」がおよそ1/3ずつを占める。

バリューチェーンのGHG排出については、通勤による排出量の削減が期待できるリモートワークを推進するほか、パートナー企業との協働を進めています。2024年度は、より積極的なエンゲージメント活動を実施してパートナーシップを拡大し、具体的な施策について検討と実行を重ねていきます。

(注1) 2022年度の排出量に基づく数字。

パートナー企業と連携し、GHG排出量の測定と削減をより速く・確実に

当社が特に力を入れているのが、パートナー企業と連携しながらGHG排出量の測定を精緻化する取り組みです。排出量を詳細に把握することで、削減に向けてより効果的かつ具体的な打ち手を検討できるようになります。特に日本の主要子会社であるリクルートでは、株式会社NTTデータ、日本航空株式会社といったパートナーと連携し、GHG排出量削減に向けた中長期ビジョンを相互に共有し、排出量の測定と精緻化に向けた議論を行ってきました。

こうした取り組みは他の戦略ビジネスユニット(SBU:Strategic Business Unit)にも広がっています。HRテクノロジーSBUのIndeedではパートナー企業6社との協働を開始し、GHG排出量削減に向けた議論を行っているほか、GHG排出量削減に関する認識向上のためのパートナー研修の実施を検討しています。人材派遣SBUでは、派遣社員の移動交通による排出削減に向けて、どのような交通手段が主要な排出源であるかの分析を進めるとともに、よりGHG排出量が少ないエネルギー源への移行に向けて、鉄道等の公共交通機関との対話を進める準備をしています。加えて、共通するパートナー企業に対して、SBUが協働して連携を推進しています。

このようにグループ横断で相互に連携し協力することによって、GHG排出量の削減活動が活発化しています。

派遣スタッフの通勤にかかるGHG排出量の計測を通じて、削減を加速

人材派遣SBUにおけるスコープ3のGHG排出量の多くは、従業員および当社から他社へ派遣するスタッフの通勤と移動によるものです。このGHG排出は、通常はバリューチェーン外の排出と見なされますが、リクルートグループの環境への責任を広く捉え、業界の先進事例となるべく、削減に取り組んでいます。

 

まずは、通勤によって生じるGHG排出量をできるだけ正確に把握するため、派遣スタッフ一人ひとりの自宅から派遣先までの距離と通勤手段を確認した上で、GHG排出量を計測することを始めています。また仕事を紹介する際には、希望する職種等の中から、可能な限りスタッフの自宅に近い派遣先を提案しています。

RGF Staffing the Netherlandsで使用している電気自動車の画像

他にも、RGF Staffing the Netherlandsでは、2027年までに法人車両すべてを電動に切り替える計画に向けて取り組みを進めているほか、日本を拠点とする株式会社スタッフサービス・ホールディングスと株式会社リクルートスタッフィングも、営業に使用する車両の100%を2030年までに電気またはハイブリッド車に切り替えることを宣言しています。

データセンターでの取り組み

リクルートグループのあらゆる事業では、ITテクノロジーを活用しています。リクルートグループでは、データセンターを統合し、分散していたIT機器を集約するとともに、環境負荷の少ないデータセンターを活用しています。同時にIT機器、ネットワーク機器とも消費電力の低い最新機種へ変更し、台数自体も削減しています。このようにオンラインサービスで使用するデータセンターの温室効果ガス排出量の削減に努めています。

グリーンハッカソンの開催

Indeedでは年に2回「グリーン・ハッカソン」を開催し、自社の商品・サービス、あるいは技術を通じて、GHG排出量の削減に貢献することを目指しています。イベントでは解決を目指す環境課題を特定し、仲間を募りながら3日でアイデアをまとめてプレゼンテーションをします。

 

2022年の春に開催されたイベントでは11件のアイデアが提案され、その内3件がIndeedのGHG排出削減の取り組みを加速する新しいアイデアやイニシアチブに対して贈られる社内アワード、Environmental Impact Awardを受賞しました。そのなかの1件が、「Indeed Interviews」です。イベントを通しバーチャルインタビューを選択した場合にどれだけのGHG排出を節約できるかを示す機能が追加されました。既存サービスが求職者と企業双方に持続可能な影響を与えるような仕組みへと進化しています。

「Indeed Interviews」を通し、バーチャルインタビューを選択した場合に節約できるGHG排出量を示す画面例

情報誌サービスでの活動

マッチング&ソリューションSBUでは、多種多様な情報誌を発行しており(2017年の発行部数は1億部以上)、その印刷から回収までの各工程における環境負荷を減らす工夫をしています。

例えば、必要な情報量と品質を保ちながら紙の消費量を削減するため、裏写りしない範囲で可能な限り薄い紙を使用することを推奨しています。また、製本の裁断の際に必ず発生する切れ端は全てリサイクルしています。また、情報誌が製本工場や取次倉庫から日本全国のラックや書店等に配送される段階においても、温室効果ガスの排出量削減に努めています。例えば、フリーペーパーは自社で配送手配を行うことで、配本スケジュールの最適化を行い、配送回数を減らす取り組みを行っています。

加えて、テクノロジーやAIを活用して無駄な配本を減らして流通の効率化をも行うことで、ラックに置かれた情報誌部数に対して実際に持ち帰られた部数の率である「捌け率」の向上に繋げています。これにより、必要な読者に情報誌を届けながら、残部を極力減らすことが可能となります。さらに、残った情報誌は全て古紙回収業者によって回収され、段ボールやその他の紙製品へとリサイクルされます。

気候関連問題のリスクと機会

リクルートグループでは、気候変動対策を企業活動の重要な基盤であると位置付け、複数のシナリオに基づき主要なリスクと機会を特定し、対応を進めています。弊社における気候関連問題のリスクと機会を特定しました。

シナリオ分析

気候変動によって世界の平均気温が上昇すれば、自然環境や生態系に大きな影響が及ぶ懸念があり、そうした環境変化と企業活動は無関係ではありません。しかし、気温上昇によりどのような環境変化が起こり得るかは不確実であるため、自社事業を取り巻く変化を複数のシナリオで想定し、気候変動が当社グループに与えるリスクと機会を分析しました(注1)

最終的に選択したシナリオは、自然環境や生態系の変化が非常に大きいとされる「4度シナリオ」(注2)と、企業の環境対応への負荷が大きいとされる「1.5度シナリオ」(注3)の2種類です。それぞれのシナリオで、短期・中期・長期にリクルートグループの事業にもたらされるリスクと機会を検討し、発生可能性と財務への影響を評価しました。評価を経て特定したリスクと機会は、サステナビリティ委員会での諮問を経て、取締役会において対応策とともに決議しました。

(注1) 本シナリオ分析においては、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)や国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)等、国際機関およびそれに準ずる調査機関が発行するレポートを参照しています。
(注2) 世界の平均気温が、産業革命前と比較して4度上昇する場合の想定される環境変化。
(注3) 世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して1.5度に抑える場合の想定される環境変化。

気候変動による主要なリスク

気候変動による主なリスクには、カーボンクレジット価格や炭素税の高騰、木材や輸送費の高騰があります。これについては2030年度までに、自社の事業活動およびバリューチェーン全体を通じた温室効果ガス排出量におけるカーボンニュートラル達成を目指し、ざまざまな施策にすでに着手し、リスクの低減に努めています。

気候変動による主なリスク3点と低減施策を示す表。例えば、「カーボンクレジット価格の高騰」「炭素課税の高騰」に対しては、オフィスの省エネルギー化や再生可能エネルギーへの転換などによりGHG排出実質削減に着手している。

(注1) 2031年3⽉期時点の炭素税算定における前提は以下のとおり。
・ 炭素税価格はInternational Institute for Applied Systems Analysis提供の"NGFS Climate Scenarios for central banks and supervisors(2023 version, Net Zero 2050シナリオ)"を参照し、約$300/t-CO2とする。
・ 当社グループの事業活動におけるGHG排出量(Scope1,2)は2023年3⽉期の実績である約9,600t-CO2を⽤いる。
(注2) 当社グループでは、パリ協定及び気候変動戦略の⽬標に照らして、気候変動におけるすべてのエンゲージメント活動(バリューチェーンとの協働、業界団体への加盟、公共政策への関与、及び関連する活動の検討等)の実施可否を評価し、担当執⾏役員の承認を得て実施しています。

物理的リスク:自然災害の発生

BCP(事業継続計画)を通じ、自然災害などが起きた際の対応を策定している

  • 従業員の安全確保に備え、従業員向けに定期的に安否確認訓練や災害時の初期対応のレクチャーを実施

  • 全拠点に備蓄品を配備しつつ、災害時には追加で支援物資が配送できるよう外部倉庫においても備蓄品を保管するなど対策を実施

  • 災害発生地の情報や被害状態がリアルタイムでわかるWEBシステムを導入

地震災害などに備え、テナント契約時、新耐震の基準を満たしているかを評価項目として設定している

気候変動に伴う主要な機会

気候変動に伴う主要な機会として、低炭素社会への移行により生まれる新たな人材雇用ニーズ、そして働き方のニーズの変化があります。例えば気候変動対策が進むにつれ、環境に関する知識や技術を持つ人材の雇用ニーズが増加します。また、気温上昇により働く場所や時間に変化が起これば、働き方のニーズも多様化します。

こうした変化に合わせて、人材マッチングを迅速に行うことができれば、大きなビジネスチャンスにつながると考えています。今後も世界動向に注視し、気候変動が当社グループに及ぼす正と負の影響を継続的に評価し対応を進め、事業機会に活かしていきます。

気候変動に伴う主な機会2点と、その発生可能性・財務影響を示す表。例えば、「気候変動への適応に向けた労働移動」の発生の可能性は中程度で財務影響は高い。