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CEO出木場 登壇レポート:グローバルナンバーワンを目指すチームに必要なこと

リクルートホールディングス代表取締役社長 兼 CEOの出木場が、2023年11月9日に米国ワシントンDCで行われた米日カウンシルのアニュアル・カンファレンスに出席しました。米日カウンシルは、国際的なリーダーの育成および交流の促進を通じて日米関係を強化することを目的に設立された教育的非営利団体で、そのアニュアル・カンファレンスでは、さまざまな業界、世代、背景の日米のリーダーが一堂に会し、ネットワークを築いたり、二国間関係に関する議論を行っています。

出木場は、『米国で活躍する日本企業』をテーマとしたパネルディスカッションに登壇し、グローバル化やイノベーション、アントレプレナーシップについて話しました。本記事では、パネルディスカッションでの出木場のコメントを中心に、モデレーターのキャシー松井外部サイトへ氏(以下敬称略)との対話を抜粋してご紹介します。

明確なミッションを掲げ、ワンチームで取り組むことがグローバル企業としての成長ドライバーに

キャシー松井:リクルートの海外売上比率は、2011年には1%未満でしたが、今では57%になったと伺いました。IndeedやGlassdoorの買収等を経て、グローバル企業として進化していますが、これまでの道のりについて教えてください。どのような課題や成功要因がありましたか?

出木場:リクルートがIndeedを買収したとき、Indeedの売上高は約8,000万ドルでしたが、昨年のHRテクノロジーSBU(Indeedが主)の売上高は約80億ドルになりました。約100倍です。これには企業買収によるものも含まれていますが、Indeedの事業自体が大きく成長したことが一番大きいです。

これを実現できたのは、私でなく、私の周りのみんなのおかげだと思っています。買収当時のIndeedのメンバーにとってみれば、グローバルなテック企業ではなく聞いたこともない日本企業に買収されて、しかも新CEOは英語も話せないなんて、さぞかし恐怖だったでしょうし、私と一緒に働くのも大変だったと思います。

だからこそ、ミッションを明確にして、ひとつのチームになることにこだわりました。Indeedのメンバーには、「君たちは日本のリクルートのために働く必要はない。今まで通り"We help people get jobs"というミッションの実現だけに集中すればいいんだ」と何度も伝えました。

その結果、多くの買収のケースのように買収後に経営幹部が会社を去ってしまうのではなく、ありがたいことにIndeedの経営幹部の多くは買収から10年以上経った今でも一緒に働いてくれています。Indeedだけでなく、Glassdoorの創業者もです。これは本当に珍しいことで、良く驚かれます。グローバル企業がワンチームとなるためには、共通の目標、明確なミッションを持つことがとても重要なんだと、本当に感じています。

モデレーターのキャシー松井と対談する出木場

個の情熱に賭け、失敗を歓迎する

キャシー松井:これから起業や事業リーダーになることを目指している方たちに、良い教訓として伝えられることは何でしょう?一般的に、日本の起業家の多くはグローバルでトップを目指すのではなく、国内市場でトップになることを目指しているのに対し、他国の起業家はDay1から米国やグローバル市場を目指していている傾向があると思います。グローバル化とイノベーションについて、参考になるものが何かあれば教えてください。

出木場:日本企業は一般的にリスク回避を優先する傾向が強いように思いますが、組織の成長に必要なものはイノベーションに次ぐイノベーションです。日本では、プロジェクトがこけないように、リスク低減のアドバイスをすることが自分たちの仕事だと考える経営者が多いように思います。

私はその逆で、チームがあまり失敗していないと聞くと、何かおかしいんじゃないかと不安になります。イノベーションに繋がるような大胆なチャレンジには、たくさんの失敗がつきものなはず。リスクテイクと失敗の許容のバランスをいかに取るかがとても重要で、これが日本企業にとって大きな課題なのではないかと思っています。

キャシー松井:リクルートは非常にユニークな組織ですよね。リクルート出身の起業家は多くいますが、皆さん口を揃えて、リクルートにはリスクを許容してくれて、失敗を歓迎すらしてくれる企業文化があって、安心して失敗できる場所だと言います。そのような環境をどのように作り出しているのでしょうか?

出木場:リクルートでは「Bet on Passion」と言って、従業員それぞれの情熱に賭けるという考え方があります。誰がこの仕事を任せるのにふさわしい「経験やスキル」を持っているかではなく、誰が「情熱」を持っているかを問うようにしています。年齢も性別も関係ない。情熱がある人に任せることにしています。

数年前、ある投資家から「あなたの会社は人材派遣事業もあれば、旅行関連の事業もある。共通の戦略はあるのか?」と聞かれたことがあります。私は「従業員の情熱に賭けることです」と答えました。

納得してもらえたかは分かりませんが、それが真実なんです。賢いふりをしたり、3年先までの売上やEBITDAを計算してもしょうがない。それはリクルートらしいやり方ではありませんから。リクルートグループには、何かを成し遂げたいという情熱をもった人が世界中にたくさんいます。その一人ひとりの情熱が、グループ全体をミッションの実現に向けて前進させてくれるのだと思っています。

世界で一番うまくできることを見つけてほしい

最後に出木場は、次世代の方たちへ以下のメッセージを贈りました。

出木場:今後、日本市場の成長率を考えると、日本国内だけで戦っていくのは非常に厳しいのではないでしょうか。だからこそ、自分たちが世界で一番うまくできること、一番情熱を注げることを見つけなければならない。それができれば、どんな仕事をしていても、どの国に住んでいても、どの国籍でも、誰でも世界のリーダーになれるでしょう。

米日カウンシル年次総会でのパネル登壇での様子は、ぜひ動画外部サイトへ(米日カウンシル Youtube)でもご覧ください。

株式会社リクルートホールディングス代表取締役社長 兼 CEO 出木場 久征

出木場 久征(いでこば・ひさゆき)

株式会社リクルートホールディングス 代表取締役社長 兼 CEO

1999年リクルートに入社。『カーセンサー』の営業を経て、『じゃらん』『ホットペッパービューティー』など販促系事業のオンライン化や、ネットビジネスに適した組織開発に従事。2012年リクルートホールディングス執行役員に就任。2013年Indeed CEOを兼任。2016年リクルートホールディングス常務執行役員、グローバルオンラインHR SBU(現HRテクノロジーSBU)長に。2019年取締役 兼 専務執行役員、20年取締役 兼 副社長執行役員を経て、2021年4月より現職

2023年12月14日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。