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    Indeed、アイルランド中央銀行との共同調査を発表

    2022年11月09日 | Indeed

    • アイルランド中央銀行とIndeedは、ユーロ圏6か国(フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、スペイン)及び英国を対象に、求人広告に掲載された賃金の上昇傾向に関する共同調査を実施

    • 掲載賃金上昇率は2022年に急騰し、同年10月時点で、ユーロ圏諸国では5.2%、アイルランドでは4.7%、英国では6.2%に

    • 賃金上昇は広範囲にわたって見られ、大半の求人で賃金上昇率が年率3%以上に

    アイルランド中央銀行は、同行のエコノミストReamonn LydonとIndeedのエコノミストPawel Adrjanの共同執筆による調査論文『Wage growth in Europe: Evidence From Job Ads(注1)PDFダウンロードを発表しました。同論文は、Indeedに掲載されている数百万件の求人情報データをもとに、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、スペイン、英国における求人広告の賃金動向を追い、月次賃金の上昇に関する追跡調査として発表したものです。

    求人広告に掲載されている賃金の動向は、賃金上昇の傾向をタイムリーに示す先行指標といえます。掲載賃金は景気循環に大きく影響を受けるため、労働市場の逼迫度合いを知ることが可能です。また、新規採用者の賃金は将来の需要に対する企業側の期待値を示すものといえます。

    同論文は、掲載賃金の伸びが2022年上半期に急加速し、その後、第3四半期に入ってやや緩やかになったと指摘しています。調査対象のユーロ圏6か国では、10月の賃金上昇率がコロナ禍前の水準から3倍以上増加し、前年比5.2%となっています。また、英国ではコロナ禍前の水準から倍増の6.2%を記録しており、ピークに達したとみられています。ユーロ圏各国の10月度賃金上昇率はドイツが最も高く(7.1%)、次いでフランス(5.0%)、アイルランド(4.7%)、イタリア(4.2%)、オランダ(4.0%)、スペイン(3.5%)となっています。

    求人広告における賃金の伸びは上述のとおり歴史的に高い水準で頭打ちになっており、一部の国では賃金の下落や求人件数外部サイトへの減少も見られます。これは、現在の労働市場の逼迫と、不透明感が増す経済環境にバランスよく対処したいと考える一部の企業が、採用の見直しをはじめていることを示唆しています。

    また、同論文では、2022年の賃金上昇が、広範囲に及ぶ現象か、それとも需給バランスが逼迫している一部のセクターでより速く賃金が上昇している現象か、どちらの現象が反映されたものかについて考察しています。2021年通じて、3%以上の掲載賃金上昇率を満たしたのは、ユーロ圏6か国における職業のおよそ30~40%でした。この割合は、2022年10月時点で60~80%超に達しており、コロナ禍前の水準である40%に対し大幅に上昇しました。

    あらゆる国において賃金上昇が最も顕著に見られる職業は、福祉、クリーニング・清掃、飲食、ドライバー、カスタマーサービス、倉庫管理、小売り、保育、営業、設備管理等です。

    Indeedは、賃金上昇率に関する最新データを今後毎月発表外部サイトへする予定です。

    (注1) 『Wage growth in Europe: evidence from job ads』では、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、スペイン(これらの国々を合わせると、ユーロ圏の雇用総数の80%以上を占める)及び英国で2018年1月1日~2022年10月31日の間に掲載されていたIndeed求人情報内の賃金データが活用されています。求人情報のサンプル総数はおよそ2,400万件にのぼります。また、当データは、Quarterly National Accounts(四半期国民経済計算)に含まれる従業員1人当たり給与の四半期別データから得られる掲載賃金トレンドとも比較されています。Indeedの賃金に関するデータは、各月末からおよそ1週間後に収集・分析が行われるため、およそ90日というかなり大きなタイムラグが存在する公的な賃金統計よりも即時性に優れています。

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