リクルートホールディングスの2026年度第1四半期は、売上収益、EBITDA+S、基本的EPSがいずれも過去最高となりました。売上収益は前年同期比18.9%増の1兆453億円となり、主にHRテクノロジー事業が期初の想定を上回ったことを受け、通期連結業績予想も上方修正しました。
これらの数字は、HRテクノロジー事業、特にIndeedのビジネスで進めている取り組みが、どのように成果につながっているかを示すものでもあります。
リクルートホールディングスの2026年度第1四半期決算説明会で、代表取締役社長 兼 CEOの出木場久征は、「AIで人事部の時間のかかる手作業を自動化して、世界中の採用の生産性を引き上げていく」と説明しました。こうしたAI活用によって、企業にはより早い採用の実現を、求職者にはより良い体験をもたらしています。
採用の実務にAIを活かす
リクルートグループが掲げる経営戦略「Simplify Hiring」のもと、HRテクノロジー事業ではAIを活用し、採用プロセスにおいて時間のかかる作業を減らそうとしています。出木場は決算説明会で、単にツールを販売するのではなく、企業が求める人材に早い段階で出会えるようにすることで、「後工程自体をなくしているような感じになっている」と説明しました。ここでいう「後工程」とは、応募書類や資格の確認、候補者の検索・連絡、面接日程の調整など、長年にわたり採用担当者の負担となってきた手作業を指します。Indeedは、採用プロセスの早い段階で企業と候補者のマッチング精度を高めることで、採用担当者が定型業務に費やす時間を減らし、採用の判断や候補者とのやりとりにより多くの時間を使えるよう支援しています。
こうした場面で力を発揮するのが、Premium Sponsored Jobsや、企業による候補者のソーシングやスクリーニングを支援するAIを活用した機能です。米国売上収益の成長をけん引しているPremium Sponsored Jobs(英語サイト) は、高度なターゲティングやマッチングに加え、求人情報を候補者がより見つけやすくする機能や、採用担当者の業務効率化を支援するAI機能を備えています。これにより、企業が求める人材により早く出会えるよう支援しています。実際に、Premium Sponsored Jobsを利用した求人では、無料の求人と比べて採用プロセスの次の段階に進む応募数が3倍となり(注1)、採用までの期間も5日短縮されています(注2)。
またIndeed Smart Sourcing(英語サイト)は、募集職種に関連するスキルを持つ候補者を見つけ、その人材に応募を促すことで、採用担当者が適切な候補者とより早く接点を持てるよう支援します。Smart Screening
(英語サイト)は、企業が定めた採用要件に合う人材をより探しやすくする仕組みを提供しています。最終的な採用判断は引き続き企業が行ったうえで、要件に合う応募者の検討により多くの時間を使えるよう支援します。こうした機能やサービスによって採用プロセスの手間が減り、企業と求職者の双方にとって、より速く効率的な採用につながります。
このようなIndeedが提供している価値が、数字にも表れています。2026年度第1四半期、Indeed上の米国の求人総数が前年同期比で約4%減少するなか、HRテクノロジー事業の米国売上収益は前年同期比30.0%増の16.4億米ドルとなりました。

FY2026 Q1のHRテクノロジー事業の売上収益を示すグラフ。米国売上収益は前年同期比30.0%増の16.4億米ドル。
(注1) Indeedのグローバルデータに基づく。
(注2) Indeedのグローバルデータの中央値に基づく。
企業と求職者の双方に、より良い成果を
こうした成長の背景には、Indeedのソリューションに価値を感じた企業が、その導入や利用への投資を広げていることがあります。
例えば、あるヘルスケア企業では、IndeedのAIを活用したソリューションが、数人のリクルーターの仕事に相当する成果をあげたと評価されました。出木場は次のように述べています。
「こういった大企業の中には数十人、会社によっては数百人ものリクルーターの方々がいて、そこに膨大なマニュアル作業のコストが発生しているのが実態です。ここに対して私たちのAIプロダクトを導入していただき、生産性を圧倒的に引き上げてもらう。これこそが、私たちのこれからの成長の大きな源泉になるという風に考えています。」
この事例は、IndeedのAIが採用担当者の手作業を減らすだけでなく、企業の採用プロセス全体の生産性と効率性を高めていける可能性を示しています。大手企業のなかには、履歴書データベースの利用料や、リクルーターの採用業務にかかるコストと、設定できた面接数を比較し、ソリューションの投資対効果を評価している企業もあります。Indeedは、AIを活用したソリューションを通じて、こうした手作業を自動化し、企業が求める人材により早く出会えるよう支援しています。企業が人材採用に投じる費用が約2,000億ドル規模にのぼるなか、リクルートグループは、HRテクノロジー事業において、求人広告に加え、採用プロセスの自動化や効率化を支援する領域にも中長期的な成長機会を見いだしています(注3)。
採用プロセスの後工程を減らすメリットは、企業側だけにとどまりません。出木場は、マッチング精度の向上と手作業の削減によって、求職者の体験も向上すると強調しました。スクリーニングやマッチング、企業から候補者へのアプローチがより速く、的確になれば、求職者は企業からより早く返信を受け取り、最初の面接にも早く進めるため、採用プロセスの待ち時間を減らせます。
より良いマッチングは、企業が必要な人材と出会い、求職者が自分に合う仕事をより早く見つけることを支援します。このように、採用プロセスをシンプルにすることに長年取り組んできたリクルートグループにとって、2026年度第1四半期は、AI活用を通じて具体的な成果が表れ始めた四半期となりました。
(注3) 当社推計。2025年時点のグローバルHRマッチング市場約3,020億ドルのうち、人材派遣市場を除く