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ロブ・ザンドベルヘン:人材派遣事業(グローバル派遣 SBU)SBU長メッセージ FY2018

このインタビューは、人材派遣事業担当就任時の2018年1月時点のものです。

世界に共通する派遣事業の価値を届ける

私たちには「多くの人への仕事の提供を通じて社会に貢献する」という目標があります。この思いのもとで、当社グループの人材派遣事業は多くの成果を挙げてきました。そうした事業で確立した経営手法とそこから生まれる社会的価値は、グローバル市場でも普遍性を持つと考え、2010年から海外の人材派遣会社に対するM&Aを活発に行っています。

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Rob Zandbergen 常務執行役員 兼 グローバル派遣SBU SBU長 兼 Recruit Global Staffing B.V. CEO

私たちが提供する社会的価値は、世界中の人々の人生にまだここにない出会いを提供することにあると考えています。求職者に対しては、仕事やキャリア機会の提供を通じて、企業に対しては、持続的成長に向けた最適な人材の提供を通じて実現します。多くの人々にとって、派遣による就業は、正社員の職に就くための足掛かりとなっています。特に若い世代にとっては、最初の就業機会として実務経験を積む手段にもなります。また、さまざまな理由から働く時間や場所に制約されない柔軟な働き方を求める人たち、さらに、企業に所属することなく、自分の豊富な経験や高いスキルを活かせる仕事がしたいという人たちにとっても、人材派遣という就業の仕組みは重要です。一方のクライアントの視点に立てば、必要なとき必要な場所に必要な人材が集まる、つまりフレキシブルな労働力の確保は、生産性向上に欠かせません。また、競争力を高めるために、より専門性の高い人材を獲得したいというニーズもあります。これに加え、私たちがユーザーとクライアントの仲介をすることで、企業にとって大きな課題である採用プロセスの効率化やトータルコストの適正化も図れます。こうした価値の提供によって、変化する世界の労働環境における多様な働き方をサポートしています。

日本国内で確立した経営手法を活かす

私たちがM&Aを行う際には、現地のマーケットに精通した地元企業をM&Aし、これまでに培った事業運営の知見を導入するという考え方が基本にあります。M&Aをした人材派遣会社は、いずれも現地で高いステータスを持つローカルブランドとして人々から信頼されていますから、そうしたブランドの価値を尊重し、原則として事業運営をM&A前の経営陣に任せているのです。そこに私たちが持ち込む唯一のものが、「ユニット経営」という経営手法です。これが現地企業の力を引き出し、より良いサービスと従業員の努力によって会社に利益をもたらすことを可能にします。

「ユニット」は会社を小さな組織単位に細分化したもので、それぞれにユニットリーダーを任命し、権限を委譲します。最も重要な経営指標は、EBITDAマージンの改善であると明確に位置付け、これを意識しながら全従業員がサービスの前後のプロセスも意識してユニットを運営します。経営陣と従業員が同じ指標を共有し結果にコミットすることで従業員の経営意識も非常に高まりますし、意思決定もスピードアップするのです。また、この取り組みが円滑に回るように、経営陣は常に現場リーダーやチームメンバーの自主性を尊重し、オープンで開放的な企業風土を作り、情報の透明度を高くするよう努力しなければなりません。つまり「ユニット経営」は徹底的に経営陣や従業員のやる気を引き出すシステムなのです。

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M&Aを成功させるガバナンス

現在、当社グループは北米のThe CSI Companies、Staffmark、Advantage Resourcingの各社、豪州の「チャンドラーマクラウド」、「ピープル バンク」の各社、さらに欧州では「USGピープル」を傘下に収め、SIA発表による「Largest Global Staffing Firms 2016」では世界の人材派遣市場におけるシェアランキングでは業界第5位のポジションにいます。私たちは人材派遣におけるさらなる成長を目指して今後もM&Aを推進していきます。

私たちはM&Aを検討する際の重要な前提条件として、対象企業が「ユニット経営」によって企業価値の向上を実現するという私たちの考え方に賛同し、深く理解してくれるかということを重視しています。また、私たちが加わることで、その会社の経営そのものを改善できる余地が本当にあるのかということも、しっかりと見極めなければならないのです。M&A後には、経営陣、マネジャー層との対話を集中的に行い、「ユニット経営」の浸透を行います。多くの場合、直ちに、各部門のリーダー・メンバーから業務の改善案が出始めます。M&A後の体制としては、私がChairmanとなり、原則としてM&A前からいる経営陣に事業運営を託します。駐在員は最小限とし、本社のお目付け役ではなく現地トップの部下として配属します。そうすることで、我々のグループの一員となった後に、現場が事業執行に集中できるよう、力を注ぎます。こうした環境で、現地の幹部を心底信じて任せる、その上で結果が出ないときは進退をはっきりさせることが大切です。このように、経営そのものを進化させることが、事業そのものの成長にとどまらず、そこで働く従業員・派遣スタッフにとっても非常に重要だと考えます。

今後もユニット経営の展開を通じて、社会価値の創造と業績の両面を実現し、世界をリードする人材派遣事業へと成長させることができると確信しています。

Rob Zandbergen

常務執行役員 兼 グローバル派遣SBU SBU長 兼 Recruit Global Staffing B.V. CEO 兼 USG People Holdings B.V. CEO

1983年8月
オランダ王立陸軍、防衛省
1990年2月
KPN N.V., The Hague CFO KPN Telecommerce BV
2001年1月
SNT N.V. CFO
2003年3月
Solvus N.V. CFO
2005年8月
USG People N.V. CFO
2009年7月
USG People N.V. CFO 兼 暫定CEO
2010年7月
USG People N.V. CEO 兼 取締役会会長
2016年7月
USG People B.V. CEO
2018年1月
株式会社リクルートホールディングス 常務執行役員(現任)
グローバル派遣SBU SBU長(現任)
Recruit Global Staffing B.V. CEO(現任)
USG People Holdings B.V. CEO(現任)

2018年01月04日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。