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同一労働・同一賃金の実現に向けて ー透明性の高い給与情報で働く人に力を与えるGlassdoorとFishbowl

同一労働・同一賃金の実現には、働く人たち自身が適正な給与額を知ることが不可欠です。Glassdoorは10年以上にわたってあらゆる企業の給与データを提供してきました。さらに2021年9月には、100万人超の働く人が集い、キャリア・業界・職場に関して活発なディスカッションを行うソーシャル・ネットワーキング・サービスFishbowl(英語サイト)外部サイトへを仲間に迎え、ディスカッション機能を追加。さらに給与情報に透明性をもたらし、働く人に力を与えます。今回は、Glassdoorの同一労働・同一賃金に向けた取り組みについて、CEOのChristian Sutherland-Wongに話を聞きました。

自分にとって適正な給与を知ることからすべてが始まる

あなたは企業から採用の内定をもらった時、提示された給与金額を上げるよう企業と交渉した経験はありますか。また、入社後に昇給の交渉をしたことがありますか。

Glassdoorの調査(注1)では、米国で働く人の約60%が、入社前に企業から提示された給与額をそのまま受け入れていて、このために本来もらうべき給与より平均で13%も低い賃金で働いていることが明らかになっています。また、女性は特にその傾向が強いうえ、入社後の昇給交渉もしない人が男性よりも多いことも分かりました。コロナ禍では73%もの女性が昇給交渉を控えており、これは男性の58%を大きく上回る結果でした。

米国では、給与にまつわる情報に透明性がないことで給与交渉が多くの人にとって難しいものになっていること、さらにこれが米国内の給与の男女格差が是正されない一因にもなっていることも分かります。Glassdoorが2021年に行った分析(注2)によると、白人男性が1ドルの給与を受け取るところ、女性全体の平均は79セントにとどまるという結果が出ています。さらに女性のなかでも人種による格差が生まれていることも懸念すべき点です(ラテンアメリカ系の女性は76セント、アフリカ系の女性は71セント、ネイティブアメリカンの女性は69セント)。

米国では、構造的な偏見をなくし、給与面での差別を防ぐため、現在20近くの州や市で過去の給与金額を尋ねることが法律で禁止されています。法律が一定の効果を発揮することは分かっていますが、それでも実際の給与交渉はいまだに多くの人にとって苦労の種です。不当に低い給与で働いていて昇給交渉も控えている人にとって、長期的な給与の見通しは厳しいものになる可能性があります。George Mason UniversityとTemple Universityの研究(注3)では、生涯賃金で60万ドルものマイナスにつながるという結果が出ています。

性別や人種によって大きな給与格差があることを示すグラフ

男女格差に加え、人種による格差も懸念すべき点

(注1) 米国の会社員130万人が2016年10月18日から2017年10月6日の期間にGlassdoorのKnowYourWorthツールで入力した自身の基本給に基づくデータ。
(注2) 出典:
Glassdoor Testifies At Congressional Hearing  on Addressing Gender and Racial Pay Inequity(英語のみ)外部サイトへ
(注3) George Mason UniversityのMichelle Marks准教授およびTemple UniversityのCrystal Harold助教授が2010年に行った研究

働く人に判断基準を

適正な給与を得るためには、ときに給与交渉が必要。そうと分かっても、一体何を基準に自分の給与が「適正」か判断すればよいのでしょうか。

米国を中心に事業展開するGlassdoorは、2008年の創業以来、企業の給与データを「圧倒的透明性」をもってオープンにし、働く人自身がいつでも、あらゆる企業のあらゆるポジションの給与データにアクセスできるようにしてきました。「透明性は、同一労働・同一賃金実現のカギであり、働く人が十分な情報に基づいてキャリアを決定するのにも欠かせません」とChristianは言います。Glassdoor自身も一企業として、すべてのポジションの給与レンジと役員の具体的な報酬(英語サイト)外部サイトへを開示しています。

Fishbowlが仲間に加わってからは、ディスカッション機能も備え、給与や職場に関する質問の回答をより速く得られるようになりました。「これまでになかった、会社や業界を超えたリアルタイムでの情報収集を可能にしたのです」とChristianは言います。

ユーザーは、個別の企業のボウル(Bowl=金魚鉢の意、個別のディスカッションの呼び名)に飛び込めば、既にその企業で働いている人たちとつながって、オファーされた処遇条件や追加で交渉可能なベネフィットやサポートなどについて、率直なアドバイスを得ることができます。既に就業中の人なら、業界のボウルに入って、自分の今の給与が妥当なものかなどを同業の人たちに尋ねることもできます。

内定中でも就業中でも、働く人が自信を持って給与交渉するために必要な情報を、GlassdoorとFishbowlは提供します。

Glassdoorにfishbowlのコメントが掲載されるイメージのスクリーンショット

Glassdoorのユーザーに関連するFishbowlのディスカッションが表示される(ディスカッション全体を見るにはFishbowlのアカウント登録が必要)

コロナ禍でも同一労働・同一賃金への歩みを止めない

Christianによると、コロナ禍によって男女の賃金格差の是正にブレーキがかかっている今日、大切なのは同一労働・同一賃金を実現するというコアミッションを見失わないことだといいます。

「職場の透明性を高めることは、創業以来Glassdoorの礎となってきた活動であり、今後も注力していきます。高い透明性は、働く人が十分な情報に基づいてキャリアを決定できるようにするためにも、同一労働・同一賃金を実現するためにも欠かせないものですから」とChristian。

「Glassdoorが目指すのは、情報の透明性が確保され、性別、人種、民族、性的指向、障がいなどといった要素に関係なく、すべての人が公平に扱われ、適正な給与を受け取れる世界。情報の透明性が確保されることによって、企業が説明責任を果たすようになり、さらにより良い雇用主になるよう努める世界。情報の透明性が確保されることによって、誰もが自分の仕事を愛せるようになる世界です」

この実現に向けて、Glassdoorはこれからも同一労働・同一賃金の実現を支え、推進するサービスを提供していきます。

関連リンク
Equal Pay: The Gender Pay Gap Breakdown - Glassdoor Blog外部サイトへ
Glassdoor to Power Fishbowl, A Fast-growing Professional Social Network - Glassdoor Press Release外部サイトへ

クリスチャン・サザーランド=ウォン Christian Sutherland-Wong Glassdoor CEO

クリスチャン・サザーランド=ウォン(Christian Sutherland-Wong)

Glassdoor CEO

2015年にVice President兼マネタイズのGeneral ManagerとしてGlassdoorに入社。2018年には初のCOO(Chief Operating Officer)に就任、2019年にはPresidentに昇格し、2020年1月より現職。CEOとしてGlassdoorのミッションである「To help people everywhere find a job and company they love」を主導している。入社前は、LinkedIn社でプロダクトディレクターとしてプレミアムサブスクリプション事業を推進。コンサルティング会社、金融業界での勤務経験も持つ

2022年06月15日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。