創業65周年を迎えたリクルートグループ。リーダーたちは今、どんな問いに向き合い、何を考え、どんな未来を創ろうとしているのか。RGF StaffingでCEOを務めるロブ・ザンドベルヘンに聞きました。

RGF Staffing CEO ロブ・ザンドベルヘン
仕事探しの手伝いに留まらず、人生を豊かにする機会を提供したい
リクルートグループの人材派遣事業は、さまざまな形態の雇用機会の創出を通じて社会に貢献するとの志のもと、これまで数十年にわたり、さまざまなステークホルダーとの揺るぎない関係性を4大陸11か国、約14,000人の従業員とともに築いてきました。「グローバルに事業展開を進め、事業成長するには」の問いに、当初はオーストラリア、欧州、米国でのM&Aを実施してきましたが、2016年半ば以降は、自社の経営資源のみでオーガニックな成長を続けています。私たちは求職者に柔軟で多岐にわたる就労機会やキャリア形成の機会を提供すると同時に、クライアント企業に対してもニーズに合った人材を絶え間なく確保できるよう支援。単なる仕事探しの手伝いに留まるのではなく、さらにその先を目指して人々が活躍し、良いキャリアを築き、人生を豊かなものにするためのサポートを第一に考えてきました。
SBU間のテック連携で生産性と効率性の改善を加速
人材派遣の事業プロセスは労働集約的で、多くの人が介在するマニュアル作業が多く、複雑なプロセスが多く存在します。これまでも人材派遣事業として生産性を高めるための取り組みを実施し てきましたが、今後は次のステップとして、リクルートグループで培われたテクノロジーを活用していきたいと考えています。すでに人材派遣SBUとHRテクノロジーSBUは、連携の一歩を踏み出しています。まずはIndeedと共同で、デジタルマーケットプレイスとしての人材派遣サービスである『Indeed Flex』(英語サイト)を開発し、2019年から米国で提供しています。今は、HRテクノロジーSBUの持つ、マッチングのテクノロジーとノウハウを活用して、人材派遣の求人においても質の良いマッチングをより速く実現するために各地域で段階的に取り組みを始めています。加えて、ワークフローの自動化を進めるための連携も試みています。最終的には、データとAIにより、マッチングの質が向上し、求職者が魅力的な仕事を見つけられる状態を目指したいと考えています。こうしたSBU間の連携はリクルートグループの強みであり、事業プロセスのデジタル化を推進する上で大きな力となります。
生産性の向上と社会への責任を両立していく
各地域に大きな影響を与えるグローバル企業として、私たちRGF Staffingは、2030年までに事業とRGF Connect(英語サイト)というプログラムを通じて150万人が有意義な仕事に就けるよう支援することを目標に掲げ、インクルージョン、エンパワーメント、そして長期的な成長を促進していきます。そのために向き合う問いは「いかに生産性向上を重視しながらも、社会への責任を果たすか」。時に、市場の競争原理から取り残され、仕事探しが難しい方々がいます。私たちはこのような状況を変え得るポジションにあり、またそれが役割でもあります。リクルートグループのテクノロジーを活用しながら生産性を高め、多くの人が働けるような世界を実現したい。そのためには、仕事を単なるタスクとしてこなすのではなく、この責任をどう実現していくのかを考え、日々学び続けなくてはなりません。常に将来の可能性を模索し続け、世界に驚きをもたらす存在でありたいと思います。

Rob Zandbergen(ロブ・ ザンドベルヘン)
リクルートホールディングス常務執行役員 人材派遣事業担当 兼 RGF Staffing B.V. CEO
アムステルダム大学で経済学を専攻、王立オランダ陸軍士官学校卒。オランダ王立陸軍、防衛省を経て、さまざまな上場会社の経営管理職を歴任。2003年より派遣事業に携わり、2010年USG PeopleのCEO兼取締役会会長に就任。2018年より現職