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AIを活用して採用プロセスを再構築する:Indeed FutureWorks 2025イベントレポート

Indeedは2025年9月10~11日の2日間、米国ルイジアナ州ニューオーリンズにて、仕事探しの未来に関する最新の知見が得られるイベント「Indeed FutureWorks 2025」を開催しました。AIが採用プロセスをどのように変革しているのか、そしてIndeedがどのようにこの変革を支援するかについて、CEOの出木場久征をはじめとするIndeedのリーダーたちがプレゼンテーションを実施。オンラインでの視聴を含め、多くの人事関係者が参加しました。この記事では、そのエッセンスをお伝えします。

より良い「採用」を共につくりたい — CEO 出木場の目指す世界

冒頭の基調講演では、CEOの出木場久征がIndeedが掲げるミッション「We help people get jobs.」の達成に向けた、AIプロダクトの進化とビジョンを共有しました。

12年前に本イベントを立ち上げた頃には、24社の顧客しか招待できなかったと振り返る出木場。現在では、1分間に27人がIndeed上で採用されているという事実に触れ、この期間を通じて培われた豊かな知見が新たなAIプロダクト開発の基盤となったと強調しました。

同時に出木場は、AIによる自動化が進むにつれ、企業との信頼関係が最も重要になっていくと語りました。車の自動運転を例に、「採用企業が目的地を設定し、私たちに目標を伝えます。Indeedの役割は、その目標に素早く簡単にたどり着く手助けをするツールを構築することです」と、企業クライアントとのパートナーシップにおいてIndeedが果たすべき役割を明確にしました。

最後に、参加した企業にむけて、「何が機能し、何が役立たないかをどんどん共有してください。あなたのフィードバックこそが、このHR業界全体をより良くするものだと心から信じています」とメッセージして締めくくりました。

FutureWorksでIndeedのリーダーたちが発信した内容の詳細はIndeedのブログ外部サイトへをご覧ください。

出木場久征

Indeed CEOの出木場久征

採用イノベーションの次の波に向けたパートナーシップ

続いて、Chief Revenue OfficerのMaggie Hulceが登壇し、AIによる変革期における具体的なプロダクト戦略を解説しました。

Maggieは、「生成AIによって私たちは、規模の面でもスピードの面でも前例のない、一つの世代に一度あるかないかの技術革新の波に直面している」と語り、「私たちがこれまで経験したことのないこの波を、素早く乗りこなす方法を身につけた者が勝者となるでしょう」と強調しました。

また、「AIは雇用を脅かす脅威として語られがちですが、むしろ人類の生産性と創造性を過去最大の水準で解き放つ機会でもある」とポジティブな見解を示しました。


一方で、採用市場では依然として、企業は条件に合わない応募者への対応に追われ、一方の求職者は応募後に返信がなく不満を募らせるという課題が存在すると指摘。Maggieは、「Indeedがこの両面的な課題の解決に寄与できる独自のポジションにある」と述べました。

この課題を乗り越えるべく、Indeedは米国で2つのAI搭載エージェントを発表しました。求職者向けのCareer Scout外部サイトへ(英語サイト)(注1)と採用企業向けのTalent Scout外部サイトへ(英語サイト)(注1)です。さらに、企業がより速く適切な人材とつながることを後押しする取り組みとして、Premium Sponsored Jobs外部サイトへ(英語サイト)の提供開始に加え、今後提供予定のIndeed Connect外部サイトへ(英語サイト)(注2)についても共有しました。Maggieは、世界をリードする双方向の採用プラットフォームとして培ってきた経験と強みを活かし、求職者の就職と企業の採用をこれまで以上に速く、効果的に後押ししていくと説明しました。

Maggieは、新たなプロダクトが求職者と採用企業の両方にもたらす可能性に大きな期待を示し、「私たちが作る未来を気に入っていただけたら」と、顧客と共に採用プロセスの未来を革新していくことに意欲を見せました。

FutureWorksでIndeedのリーダーたちが発信した内容の詳細はIndeedのブログ外部サイトへをご覧ください。

(注1) 日本でのローンチは未定
(注2) 2026年1月に米国で提供開始予定、日本でのローンチは未定

Maggie Hulce

Indeed Chief Revenue OfficerのMaggie Hulce

不確実性への適応:経済動向の変化が仕事のあり方を変える

Indeedのエコノミックリサーチ機関であるHiring LabのChief Economistを務めるSvenja Gudellは、数百万件の求人情報と年間数十億件の求人検索データを分析し、客観的かつデータドリブンな視点から労働市場の「今」と「未来」を示しました。

Svenjaは、米国経済はまだ本格的な景気後退には至っていないものの、労働市場は停滞している状況にあると語ります。その一方で、長期的な視点で見ると、ベビーブーマー世代の引退などに伴う構造的な労働力不足が目前に迫っているという厳しい現実も指摘しました。

この労働力不足の解決にAIが重要な役割を果たすことが期待される一方、AI関連の求人は全体の中でまだごくわずかにとどまっている現状について言及。しかし、Svenjaは、Hiring Labのスキル分析の結果に基づき、「現時点でAIに完全に代替可能な職種はないものの、AIの影響を受けない仕事は一つもない」との見解を提示しました。

Svenjaは、こうした状況下で企業が取るべき行動として、AIを「機会を拡大するツール」として捉えることを推奨しました。「ただ従業員をAIに置き換えるのではなく、AIで補完する。そのために、AIを効果的に活用・監督できるチーム構築に注力することが重要です。」

Svenjaが共有したインサイトの詳細はIndeedのブログ外部サイトへをご覧ください。

Maggie Hulce

Indeed Chief Revenue OfficerのMaggie Hulce

2025年10月30日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。