Indeedは2026年9月2日~3日の2日間、米国アリゾナ州フェニックスで「Indeed FutureWorks 2026」を開催しました。
採用プロセスが複雑化し、一層スピードを求められるようになっている今、企業は変化し続けるスキル要件と、人材需給が逼迫する労働市場(注1)への対応を迫られています。一方、求職者は不要な手間やイライラを抱えることなく自分に合った機会を見つけたいと考えています。
求職者と企業がより簡単に出会い、より速く、よりシンプルに採用プロセスを進められる、 「よりつながった採用体験」の実現に向けて何ができるのか。HRテクノロジーはどこまで連携して、価値発揮できるのか。イベントに集まったリーダーや専門家たちは、AIが採用プロセスをどのように変えていくのかを議論しました。この記事では、そのハイライトをお伝えします。

リクルートホールディングス及びIndeed CEO出木場久征は、AI活用を人間にとっての機会だと解釈した
採用の中心に「人のつながり」を—CEO出木場のビジョン
リクルートホールディングスのCEO 兼 IndeedのCEOである出木場久征は、イベントの冒頭で「AIは採用における手作業をより多く引き受けるべきであり、そうすることで人は本来最も力を発揮すべき領域――人と人のつながり、判断力、そして創造性――に集中できるようになる」という考え方を強調しました。これは本イベントに通底したメッセージです。
採用現場では今も、応募書類の確認、候補者のソーシング、連絡や調整、必要な資格の確認など、繰り返し発生する作業に多くの時間が費やされています。 これらはいずれも採用に必要な業務ですが、 求職者との信頼関係を築くこと、判断力を働かせること、求職者のポテンシャルを見出すような本気の対話を行うこととは異なります。
「AIがそうした業務をより多く担うことで、採用担当者は最適なマッチングを実現するためにより多くの時間を使えるようになる。それが、私たちが目指している未来です。」
つまり、「AIが採用を変えるかどうか」ではなく、「人を意思決定の中心に置いたまま、AIでどのように採用プロセスを変えていけるか」が重要なのです。
より良いマッチングと、採用までにかかる時間の短縮が求められる理由
Indeed チーフエコノミストのSvenja Gudellは、今なぜこの論点が重要なのか、大局的に説明しました。彼女は、米国の労働市場(注1)が、労働力の高齢化、移民動向の変化、テクノロジーの進化、そしてAIの台頭によって再編されつつあることが背景にあると言います。
分析から、労働市場の制約は強まり、より複雑になっていることが見えてきました。「低雇用・低解雇(low-hire, low-fire)」の環境下、労働力の供給が逼迫し、求められるスキルも変化するなか、企業にとっては人材を確保する余地が小さくなり、採用プロセスにおける非効率も許容しにくくなっています。
同時に、最適な人材を見つけることは、以前より難しくなっています。Svenjaが「適切な人材を適切な仕事にマッチングさせることが、本当に難しくなっている」と言うように、マッチングの確認項目は増加し、職能や専門スキルもより重要になっています。そのため企業は採用要件を見直す必要に迫られているのです。Svenjaは、職種名や学歴、経験年数だけでマッチングするのではなく、求職者が実際に持つスキルや、仕事などを通じて身につけた能力に目を向け、より幅広い人材を採用対象とすることを勧めます。こうした変化は、従来の形式的な条件だけでは捉えにくい情報を見つけ出し、それを採用プロセスの各段階でつなぎ、活用できるテクノロジーの必要性を一層高めています。
また、採用スピードの重要性も増しています。人材需給が逼迫するなかでは、適した人材がいつまでも採用市場に残っているとは限らないからです。出木場は「ポジションが空席になっている一日一日に、実質的なコストが発生している」と指摘します。
つまり、Indeedがプロダクト開発を通じて実現したい、より良いマッチングやより速くシンプルな採用は、単なる業務改善にとどまらず、企業にとって戦略的な重要性を持つようになっているのです。

Indeed チーフエコノミストのSvenja Gudell
個別のプロダクトではなく「よりつながった採用体験」を
Indeedは採用プロセスを個別のアクションの積み重ねとしてではなく、企業の求人情報、応募者情報、そして採用フロー上で発生する履歴が段階を経るごとに引き継がれる、ひとつながりの工程として描いています。
その工程は、「Indeed Brand Score」(注2)の機能を通じて、企業が求職者から自社ブランドがどのように見られているかを理解するところから始まります。続いて、「Premium Sponsored Jobs」(注2)の機能によって、重要な求人の露出を高め、関連性の高い求職者に届きやすくします。さらに候補者のソーシングやスクリーニングといった各段階においても、IndeedのAIを活用したプラットフォームは、より精度の高いマッチングにつながる特徴や条件を見つけ出し、手作業による負担を減らすことで、企業の採用要件に合う可能性の高い人材により早くたどり着くことを支援します。
ここまでくると、これは単なる機能の集合体ではありません。使いやすさや、連関性、コンバージョン、採用担当者の業務効率、採用スピードといった成果に重点を置いた、「つながった採用システム」なのです。
企業にとっては、分断されたシステム間で情報を移動させる時間が減り、求職者に向き合う時間が増えることを意味します。求職者にとっては、職種名やキーワードの一致だけに基づかない、より自分に合った提案を受けられる体験につながる可能性があります。

Indeedで機械学習を担当するシニアディレクターのHannah Lindsley
「Simplify Hiring」をさらに前へ
Indeedの役割は、企業の求人への注目を集める支援をしているだけではありません。求人の発見とマッチング、ソーシング、評価、そして最終的な採用の意思決定に至るまで、採用に関わるプロセス全体をより良くしていくことを目指しています。
人材需給が逼迫し、スキル要件が複雑化するほど、人と適切な仕事を結びつけ、質の高い採用をより速く実現できることの価値が高まることは明白です。
分断された採用プロセスを変え、テクノロジーを活用して企業と求職者がより速く出会えるような、よりつながった採用体験へ。Indeed FutureWorks 2026で示された方向性の通り、リクルートグループは「Simplify Hiring」の実現に向けて、取り組みを加速していきます。
(注1)本記事における「労働市場」等の記述は、Indeed Chief Economistによる分析等に基づくものであり、主に米国の労働市場の状況を指しています。
(注2)「Indeed Brand Score」「Premium Sponsored Jobs」は米国で提供中の機能・プロダクトです。
関連リンク
Indeed FutureWorks 2026 | ニュース | リクルートホールディングス
AIを活用して採用プロセスを再構築する:Indeed FutureWorks 2025イベントレポート