リクルートグループの強さの源泉を守り、 グループの未来を創るあるべき 内部監査機能を目指して。

内部監査部

部長

北 雄一

あるべき姿を追い求め、
事業とともに進化してきた内部監査。
「新しい価値の創造」に挑戦し続ける

内部監査部はCEO直下に配置され、経営に近い立場から独立かつ客観的な視点で事業現場に踏み込み、ガバナンス、リスク管理、内部統制やビジネスプロセスを幅広く評価します。課題の発見にとどまらず改善を促すことで、グループ全体の健全な事業運営と持続的な企業価値向上に貢献する役割を担っています。リクルートグループは「個の尊重/Bet on Passion」を大切にする価値観の1つに掲げ、単にルールで縛ろうとするのではなく、各事業に対して積極的に権限を移譲し、各々が大きな裁量を持ってスピーディに意思決定を行う「自律自転」の事業運営を強みとして成長を続けてきた企業です。私が入社した2014年当時、株式上場を直前に控える中で内部監査部に求められていたのは、その強みである事業の自律性やスピード感を毀損することなく、J-SOXなどの上場企業に求められる事項に効率的に対応する監査体制の確立でした。上場後は事業のグローバル化が急速に進展し、直近は、事業運営を「マーケティング・マッチング・テクノロジー事業」、「人材派遣事業」、「HRテクノロジー事業」で構成される3つのStrategic Business Unit体制へとシフト。また、急速に進化するテクノロジーが各事業の基盤となる中で、内部監査機能が果たすべき役割は大きく変わっていきました。

特に2018年にEUで施行されたGDPR(一般データ保護規則)をはじめとした、データプライバシーやセキュリティに対する社会的要請の世界的な高まりは、内部監査機能を見直す大きな契機となりました。グローバルな事業展開に適応し、事業環境の変化に先回りして対応できるケイパビリティを獲得するべく、各事業の現場により近い場所から監査を行えるマルチロケーション化を進め、リモートでの監査実施を含めたグローバル監査体制を構築しました。さらに、各事業は最先端のテクノロジーを積極的に活用しながら急速な進化を遂げ、事業構造も劇的に変化する中で、私たちはグローバルテック企業としてあるべき内部監査の形を模索し続けてきました。私たち内部監査人が絶えず変化する事業の現状を深く理解し、現場が直面している課題やリスクを事実に基づいて客観的に捉えながら、世界中の仲間たちが「安心して新しい価値の創造に挑戦できる環境」をつくるために、何ができるかを考え抜き、必要なことは煙たがられても言い切ることが重要です。事業とともに、内部監査部も進化し続けなければなりません。

現在、内部監査部では大きく3つの柱のもとで進化に挑戦しています。1つ目は「AIプロダクトや進化するテクノロジーに対する新しい監査の確立」です。世の中を探しても前例の少ない領域に対してもゼロベースで監査手法を設計しながら、複雑化するテクノロジーやプロダクト開発にまで深く踏み込んだ専門的な監査に挑戦しています。2つ目は「テクノロジーを活用した内部監査の変革・進化」。事業スピードは猛烈な勢いで、1年前にあった組織が跡形もなくなり、人も業務内容もまったく別のものに変化していることも少なくありません。そのような環境下では、以前のように数年に1回の大規模な監査を時間をかけて実施し、法規制の要求事項や決められた規程に対する準拠性を確認しているだけでは、複雑化する経営リスクに対応できません。AIの活用やデータ分析基盤の整備などを進め、リスクを適時かつ継続的にモニタリングし、異常を検知すれば迅速に監査を行う「コンティニュアス・オーディティング(継続的監査)」への挑戦を進めています。そして3つ目が「グローバルテック企業に期待されるガバナンス水準の追求」です。部内でもAIを積極的に活用し自分たちの業務の自動化・効率化を進めることで、内部監査人はより経営に近い視点からビジネスプロセスの改善・進化に向けた提言を行う「コンサルティング的な価値創造」まで踏み込めるようになってきました。たとえば「AIガバナンス監査」では、AI活用に伴うリスクを適切に管理するためのルールなど「ブレーキ役」のようなイメージを持たれるかもしれませんが、私たちのAI活用に遅れが生じてしまうこともまた、重大な経営リスクであると捉えています。私たち内部監査人は、部門横断で様々な部署に入り込みビジネスプロセスをチェックしているので、その過程で得られた先進的な取り組みの知見やノウハウを活かし、サイロ化し部分最適になりがちな現場に対して改善提案を行うこともあります。つまり、内部監査機能をうまく活用することで、AI活用のリスクを低減するだけでなく、正しい活用の促進を支援することができるのです。このように、私たちが経営・ガバナンスの進化に貢献できることはまだまだあると考えています。

リクルートグループは今、グローバルテック企業として成長を続けており、結果として社会に与える影響もますます強くなっています。事業の成長に伴い、監査対象もAI・データガバナンス、プライバシー、セキュリティ、プロダクト開発など、高度な専門性が求められる領域へと広がり続けている中で、私たち内部監査人もこれまで以上に事業環境の変化に敏感になり、内部監査のあり方を常に進化させ続けなければ、事業の成長を支える付加価値の高い監査を実現することはできません。内部監査という機能を通じて、事業の進化・成長を支援し、その先にある社会の発展に貢献するために、今ここにいる私たちに何ができるのか。これからも自問自答を繰り返しながら、立ち止まることなく進化し続けていきたいと思います。

転職を重ねてきた私が、
リクルートグループで12年以上働き続けている理由。
一人ひとりの情熱が新たな機会を創り出す、飽きることのない環境。

私は学生時代に機械工学を学び、大学院修了後にSEとして就職しました。その後、ビジネスサイドへの関心が高まり、コンサルティングファームを2社経験し、グローバル展開を行う製造業の会社に転職。そこで内部監査の仕事に出会いました。監査を通じて様々な現場の課題に向き合い、個々の課題からだけでは見えてこない経営レベルの課題が見えてくる中で、「この課題を解決したい」という思いが芽生えるようになりました。グローバルでシステムを統一すべきと考えた私は、各拠点に赴いて信頼関係を築きながら事実を積み上げ、IT部門を巻き込んでタスクフォースを立ち上げ、4年間かけて経営からシステム統合の了承を得ることができたのです。監査を通じて課題を見つけ、経営陣に直接提案し、変革に貢献できる内部監査の醍醐味を感じられた仕事でした。ところが、前職の環境では年次や経験の壁が高く、そのプロジェクトを継続して任せてもらうことが叶いませんでした。そこで、自分がやりたい事に責任を持ち、当事者として最後まで挑戦できる環境を求めて4回目の転職を決意。上場を間近に控え、グローバル展開を加速しようとする中、内部監査機能を構築し始めていたリクルートホールディングスに入社しました。

入社から3年が経過し、監査体制も各事業のガバナンスも整備されていく中で、自身の業務に自信がつき、より難易度の高い領域に挑戦したい気持ちが高まってきた頃、EUでGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)の制定に向けた議論が熱を帯び、データプライバシーの保護や情報セキュリティが経営の最重要リスクとして浮上してきました。グローバル化とともにIT・テクノロジーの活用へと大きく舵を切り、事業構造が劇的に変化していく中で、私たち内部監査部もこれまで誰も経験したことのない領域に対応する新しい監査を作り上げる必要に迫られたのです。それは元々エンジニアだった自分にとって、バックグラウンドを活かして経営・事業に貢献できる絶好の機会でもありました。私はEUに拠点を置くグループ会社に対するデータプライバシー監査、人材派遣事業に対するセキュリティ監査を担当することになり、その後Indeedを中心とするHRテクノロジー事業に対する監査も担当しました。これまでに前例のない領域に対して、部内の仲間や各事業の責任者・担当者たちと議論を重ねながら理解を深め、新しい監査を構築していく仕事はとても難しく大変な挑戦でしたが、それだけに大きなやりがいを感じられた充実した日々でした。

特に2012年にリクルートグループにジョインしたIndeedは、私が入社した頃はまだ事業拡大に集中するスタートアップ企業でしたが、今ではリクルートグループの成長を牽引する存在に急成長を遂げ、さらに世界的にも、HRテック領域のトップランナーとして注目を集めています。瞬く間に世界的企業へ成長する中で、当然ながらガバナンスやセキュリティに関するリスクも急激に高まり、複雑化する事業環境の中で米国の現場スタッフにかかる負担も大きくなっていました。事業の成長スピードにキャッチアップしようと懸命に努力している現場スタッフの姿を見た私は、監査を通じて何とか力になりたいと強く思いました。そこで私は、「リクルートグループの5年後、10年後の成長を見据えた時に、今こそ、HRテクノロジー事業の中にも内部監査部門をつくるべきだ」とCEOの出木場に直談判したのです。Indeedが今後直面するであろうリスクに対して、より現場に近い場所から内部監査機能を活用することで、Indeedの成長の加速と従業員一人ひとりの挑戦を後押ししたいという思いをぶつけました。出木場からは「いいじゃん、やろうよ」の一言があり、その場で米国への赴任が決定しました。前職では4年かけて直談判しても最後は任せてもらえなかったのに対し、リクルートグループでは当事者の思いに賭けてもらうことができたのです。内部監査部はCEO直轄の組織なので、様々な報告の場面で、CEOと直接話ができることも魅力の一つだと思います。米国への赴任は、ちょうど部長を任されるタイミングと重なってしまったため、メンバーは新任の部長がいきなり米国に行くことに驚いただろうと思いますが、年次や役職に関係なく一人ひとりの情熱に賭ける企業文化が根付いている証と言えるのではないでしょうか。そして、自分の思いだからこそ、どんなに苦しい状況に陥っても前に進もうともがき続けることができますし、乗り越えた先には新しい世界と、また挑戦したいことが見えるのだと思います。

気が付けば、リクルートグループで働いて12年になります。これまで経営陣や各事業会社の責任者や担当者たちと対話を重ね、信頼関係を築くことができました。今もこれからの事業成長に向けて何が必要か、それに対して内部監査機能はどのような貢献ができるのかと議論しながら、あるべき監査の形を模索し続けています。一人ひとりの情熱が新しい挑戦の機会を創り出し、上司や同僚に背中を押されながら勇気を持って踏み出すことが、自身と会社の成長に直結する。その成果としてさらに大きな期待が生まれ、それが新たな機会へと広がっていく。この循環こそがリクルートグループで働くおもしろさであり、強さの源だと思います。これからも一内部監査人としての情熱を燃やし、新しい機会に挑戦し続けていきたいと思います。

内部監査機能の進化が、事業成長をドライブさせる。
事業とともにワクワクしながら、未来を創っていこう。

ここまでお話ししてきた通り、リクルートグループの内部監査は「決められたルールに対して現場をチェックし、ダメな部分を指摘して改善させる」というスタイルではありません。リスクを極小化することだけが目的ならば、ガチガチにルールで縛って監視すればよいかもしれませんが、私たちはグローバルテック企業として、厳しい競争の中で「新しい価値の創造」に挑戦し続け、持続的な成長を実現することを目指しています。リクルートグループの企業文化である「個の尊重/Bet on Passion」、各事業の「自律自転」を前提として、積極的な権限移譲を通じて各事業・各個人の自由度を高めながら、多様化・高度化する様々なリスクに対する適切なガバナンスを実現する。そして、世界中の仲間たちが安心して挑戦し続けることができる環境をつくることが求められているのです。それは決して簡単なことではありませんが、だからこそやりがいのある仕事だと思います。この挑戦を私たち自身が楽しみ、より良くしたいと思わなければ、良い監査はできません。事業と一緒になって、ワクワクしながら、リクルートグループの未来を創っていきたい。そのためにも、さまざまなバックグラウンドと情熱を持った方々に、私たちの仲間になっていただき、この環境を楽しんでもらいたいと願っています。

内部監査部のメンバーは、一人ひとりが熱い思いを持ち、助け合い、互いに刺激を受けながら、監査プロジェクトごとにチームを組んで仕事を進めています。これまでのキャリアで培ってきた経験や専門性はそれぞれ異なりますが、メンバーに共通しているのは、自分が感じた違和感を大切にし、「もっとこうしたい」という思いに素直になって、実際に行動に移すことができる人たちだということ。そんな熱い思いを持った素晴らしい内部監査人たちと共に働く組織長として、一人ひとりの思いを尊重し、その情熱に大いに期待して、思い切って挑戦してもらえる環境を整えることで背中を押していきたいと思っています。常に挑戦し続ける日々は大変なことも多いですが、成功や失敗にかかわらず、挑戦したことを称賛し合える環境です。内部監査人としての専門性を磨き、独立性を持った客観的な立場から現場をチェックする基本的な役割をまっとうしながら、一方で現場の従業員一人ひとりの挑戦を応援する気持ちを忘れずに信頼関係を構築し、現場に深く踏み込む監査を通して事業の成長と進化を支えていく。そんなワクワクする内部監査を創っていくことに興味をお持ちいただける方がおられましたら、この刺激的でチャレンジングな環境を、ぜひ一緒に楽しんでいただければと思います。

北 雄一(きた・ゆういち)

部長

内部監査部

大学院で機械工学を学び、修了後システムエンジニアとしてSIerに入社。その後、コンサルティングファーム2社、事業会社で内部監査を経験し、2014年にリクルートホールディングス入社。2022年より内部監査部の部長を務めると同時に、渡米してIndeedの内部監査部門を立ち上げ、責任者を兼任している。
大学院で機械工学を学び、修了後システムエンジニアとしてSIerに入社。その後、コンサルティングファーム2社、事業会社で内部監査を経験し、2014年にリクルートホールディングス入社。2022年より内部監査部の部長を務めると同時に、渡米してIndeedの内部監査部門を立ち上げ、責任者を兼任している。

2026年10月02日

  • ※事業内容や担当業務内容などは記事発行時のものです。

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