書類審査で犯罪歴のある人を一律不合格にする慣習は依然残っている
(注4) 選考中の求職者に対して、選考中または採用オファーを書面通知するよりも前に犯罪歴の有無を尋ねることを禁止する等、犯罪歴がある求職者への公正な雇用機会促進を目指す、米国における法改正の動向(出典:National Employement Law Project)
(注5) 出典:Prison Policy Initiative
(注6) 出典:The Urban Institute
1. プラットフォーム上での取り組み
Indeedプラットフォーム上で、犯罪歴を不問とするFair chance(公正機会)採用(英語のみ)の求人情報をより見つけやすくするため、さまざまなUI(ユーザー・インターフェイス)の改善を進めています。
2. パートナーシップを通じた取り組み
犯罪歴がある人のうち約40%は、法的記録の全てあるいは一部を合法的に抹消することができる対象者であると言われています(注7)。Indeedでは、2022年2月にTexas Fair Defense ProjectやCheckr等のパートナーとともにこの手続きを支援するプログラム「Essentials to Work」を開始しました。
(注7) 出典:Chien, Colleen V., America's Paper Prisons: The Second Chance Gap (2020)
3. 自社採用を通じた取り組み
近年、Fair Chance採用の強化に向けて自社採用ポリシーおよびプロセスの見直しを行いました。さらに、他社の方たちの参考になればと、その具体的な内容をプレスリリース(英語のみ)で公開しています。
また、刑務所の受刑者や仮釈放中の求職者向けのコーディング講座を提供するPersevereや、出所後に現場トレーニングを通じた実践を支援するBanyan Labsと提携し、Indeed自社による採用や他企業での採用支援を行っています。出所後の速やかな就業を支援するとともに、非常に低い再犯率を維持しています。
パートナーシップを通じた受刑者や仮出所者への職業訓練の様子
日本で事業を運営するリクルートは、就労支援・キャリア教育プログラム「WORK FIT」を2011年から継続して行い、少年院や児童養護施設、若年無就業者などを支援しています。また、2022年度からは、刑務所内での出所後の生活に向けた準備を支援する、女性受刑者向けのプログラムも展開し、再犯防止への貢献を目指しています。
米国の派遣会社Staffmarkは、Fair chance採用に積極的な大手クライアント企業とともに犯罪歴のある方の採用に特化したプログラムを2015年にスタートしました。まずは派遣スタッフとして働き、さらにそこから企業に正式採用される機会も得られるプログラムです。FY2021時点では、就業者の95%が就業後6か月後も継続して働いていることが確認されており、参加者からの満足度も非常に高いものになっています。
本来、職務要件とは無関係の要素である犯罪歴によって採用の合否が決まるべきではありません。しかし現実には、労働市場の古くからの慣習による構造的な偏見(バイアス)が、犯罪歴のある人たちに大きな壁となって立ちはだかっています。リクルートグループは、テクノロジーの活用やパートナーシップ、また自社採用も通じて、Fair Chance採用を推進し、より多くの公平な機会を創出することで、この障壁の打破に挑んでいきます。