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Indeed CEOのChris Hyams(クリス・ハイムス)が語るこれからの10年:AI活用による更なる進化とソーシャルインパクトの追求

2013年に設立されたIndeed Japan株式会社は10周年を迎えました。これを記念して来日したIndeed CEOのクリス・ハイムスが、Indeedが次の10年にグローバルで目指すものについて語りました。

明確なミッションとビジョンを共有するIndeed

2023年11月、Indeed Japanの10周年を記念して来日したIndeedのCEOクリス・ハイムスは、グローバル全社ミーティングに東京から参加。冒頭ではいつも通り、Indeedのミッション『We help people get jobs.』に触れました。「このミッションは私たちが毎朝ベッドから起き上がり、一日一日を精力的に活動できる原動力となっています。ただTシャツを飾っているスローガンというわけではありません。私たちIndeedの仲間たちと、私たちが仕事で関わる人々の人生とを毎日つなげてくれているのです」とメッセージ。

続いて、『ボタンを押すのと同じくらい簡単に、速く、仕事に就けるようにする』というIndeedのビジョンにも触れ、世界各地の約12,000名の従業員が一丸となってその実現に取り組んでいくことを確認しました。

全社ミーティングに登壇するクリス・ハイムス

東京で開催された全社ミーティングでIndeedのミッションについて語るクリス・ハイムス

またクリスは、次の10年のIndeedの成功のカギとなる「採用プラットフォームへの進化の加速」「ソーシャルインパクト目標の達成」「責任あるAIの活用」について言及しました。

採用プラットフォームへの進化を加速する

成長を続けるIndeedが現在注力しているのは、マッチングから採用まで一気通貫で実現できる採用プラットフォームへの進化。採用担当者が、求人情報の掲載や候補者管理、面接や内定まですべての採用プロセスをプラットフォーム上で完結できるようにすること。そして求職者がボタンを押すのと同じくらい簡単に仕事に就けるようにすること。その実現に、この一気通貫できるプラットフォームは欠かせません。

「3,270億ドルと言われる世界の人材マッチング市場の中で、求人サイトでの広告・ブランディングの領域の規模は300億ドルにも満たない(注1)。より採用に近いプロセスにはその10倍の市場規模があり、非常に大きな機会が広がっています。」クリスはこの未参入の領域の持つ大きなポテンシャルも強調します。

インタビューに応えるクリス・ハイムス

リクルートグループの一員として、共にソーシャルインパクト目標の達成を目指す

事業成長と並行して、社会により良い変化をもたらす取り組みにもIndeedは力を入れています。クリスは、「Indeedは今や、60ヵ国以上、28の言語でサービスを展開しており、毎年350万の雇用主が採用に利用し(注2)、毎月3.5億人以上のユーザーが仕事探しやレジュメのアップロード、企業研究などのために訪れるプラットフォームに成長しています(注3)。この影響力をもとに社会により良い変化をもたらすことが重要だと考え、2021年にリクルートホールデホールディングスと一緒にESG(地球環境、社会、ガバナンス)の長期目標を設定しました。特にソーシャルインパクトの分野では、リクルートホールディングスと共通の2つの目標を掲げ、2030年度までの実現に向けて取り組んでいます」と語ります。

1つ目のソーシャルインパクト目標は『2030年度までに、就業までにかかる時間を2021年度比で約半分に短縮する』こと。世界中の多くの人々にとって、仕事は日々の暮らしを支える基盤で、世界の約40%の人々が、3か月間収入がないと貧困に陥ってしまうというOECDのデータもあります(注4)。「Indeedはプロダクトの進化を通じてこの実現を目指していく」とクリス。

2つ目は『2030年度までに、世界の労働市場で学歴、犯罪歴、障がいや軍隊経験など様々な障壁に直面する求職者累計3,000万人の就業を支援する』という目標で、これは「就業までに掛かる時間を半分にするだけでは解決しない問題に直面している求職者を支援するものです」とクリスは説明します。米国では、労働力人口1億6,800万人のうち、4,200万人に障がいがあり、7,000万人が四年制大学を卒業しておらず、7,700万人に犯罪歴があると推定されており(注5)、大多数が雇用の障壁に直面しているのが実情です。クリスは、「この目標に対しては、Indeedはプロダクトの進化に加えてパートナーシップを通じても支援を行うことで取り組んでいきます。2021年度のスタート以来、既に390万人(注6)の就業を支援しています」と、既に上がっている成果も付け加えました。

正面を向いて微笑むクリス・ハイムス

Indeedのこれからの10年を左右する「責任あるAIの活用」―社会とともによりよい仕事の未来を築いていきたい

Indeedが目指すビジョン、ソーシャルインパクト目標を実現するために不可欠なものがあります。それは「AIの活用」です。クリスも「AIがIndeedのこれからの10年を左右するキーファクターであることは間違いありません。その活用において、Indeedが保有している膨大なデータは、質・量ともに大きな競争優位になると思っています」と強調します。

ただ、「AIに対する懸念は確かにある」とも話すクリス。ひとつは、人間が生み出したデータに基づくAIが人間が持つバイアス(偏見)をそのまま反映したり助長してしまう可能性。「特に採用活動はそもそもバイアスの影響が大きい分野でもあるだけに、必要な手を打たない限り懸念は残ります。」また、AIが既存のビジネスを崩壊させるような破壊的イノベーションを起こせば、生活していく上で必要な仕事を失う個人が出てくることになり、「こういった既存の仕事への影響も最も大きな懸念のひとつ」とクリスは語ります。

それでも前途は明るいと信じているというクリス。その理由について、「長い目で俯瞰して見れば、テクノロジーが私たちの働き方や暮らしをより良く、より人間らしくすることはほぼ確実で、実際にAIによってIndeed上の求職者と求人のマッチングは飛躍的に向上しています。また、IndeedはResponsible AI(責任あるAI)の実践に積極的に取り組んでおり、こうした取り組みが最終的に雇用における不平等を減らせると考えています」と述べました。

IndeedのAI求人レコメンド機能が一人ひとりの求職者に合いそうなおすすめ求人をフィードに提案したところ、求職者が自分で検索した求人よりも55%も高い割合で応募につながったという結果が米国で出ていたり、ボタンをクリックしていくだけで求人票を作成できる機能が米国では既に実用化されて、数時間かかっていた作業が数分で済むようになっていることなどが、その例だといいます。また、スキルに基づく採用プロセス(Skill-based Hiring)を後押しするような採用担当者向けのAIツールも現在開発中で、学歴などの要因にかかわらず、仕事をこなすのに必要なスキルを持つ人材を見つけられるようにする機能の導入が、米国では既に検討されています。

最後にクリスは、「IndeedはAIを責任ある形で活用しながら、仕事探しをより簡単に、より速く、より人間らしくすることを目指します。私たちは、決して人間にとって代わる採用ロボットを作ろうとしているわけでも、ロボットに合否の判断を委ねようとしているわけでもありません。AIを活用することで、仕事探しにまつわる不平等をなくして、求職者がより簡単に、自分にあった仕事に就いて、自分らしくウェルビーイング高く働けるようにしたい。採用担当者の業務効率を上げて、よりやりがいのある業務に集中できるようにしたい。仕事探し・採用活動は人間らしいものであるべきで、それは人間とAIの力を合わせることで実現できると信じています。Indeedは皆さんとともに、人間らしさを採用プロセスの中心に据えながら進化していくことをお約束します。仕事探し・採用活動の世界に改善の余地があることは皆さまご承知の通りです。よりよい仕事の未来を、社会とともに築いていきたいと思います」と、今後の展望を述べました。

(注1)求⼈広告及び採⽤ツール市場、⼈材紹介市場、及びエグゼクティブサーチ市場における売上⾦額ベースのそれぞれの市場規模、採⽤オートメーション市場において企業クライアントが⼈材採⽤のために社内リソースに費やしている⾦額のうち、第三者による採⽤オートメーションサービスへ代替可能な⾦額の推定値、並びに⼈材派遣市場における売上総利益ベースの市場規模に関する当社グループによる推計値の単純合計額
(注2)Indeed 社内データ、全世界
(注3)Indeed 社内データ、月間ユニークビジター数、2023年4~9月の平均
(注4)OECD「How's Life? 2020」に基づく、OECD加盟28カ国の数値
(注5)Pew Research Center, Opportunity@Work, National Conference of State LegislaturesのデータをもとにIndeedが作成
(注6)全世界で2021年5月1日から2023年3月31日までの間に行われた「就業シグナル」計測を通して、 Indeed を利用する求職者および採用企業の報告をもとに集計された、Indeed 上での採用数を表す。求職者の障壁とは、大学の学位を持たない、障害がある、犯罪歴がある、兵役経験がある、Indeed のパートナー組織からWork Essentialsのサポートを受けている、またはいずれかを組み合わせた条件と定義される。

Indeed CEOのクリス・ハイムス

Chris Hyams(クリス・ハイムス)

Indeed CEO

2010年にプロダクト担当バイスプレジデントとしてIndeedに入社。2015年にはプレジデントに就任し、Indeedの収益力向上とクライアントサクセス領域も担当した後、2019年4月にCEOに就任。ミッションである「We help people get jobs. 」の実現に向けて組織を力強くリードしている。映画監督の父に影響を受け、社会で不利な立場に置かれやすい少数グループに属する若手映画監督の登竜門である「Rising Voices」にスポンサーとして関わる他、起業家精神を通じて社会的・経済的なエクイティ(公平性)の実現をミッションとする技術的アクセラレータDivIncの取締役、オースティン最古の高等教育機関であるヒューストン・ティロットソン大学の理事なども務めている

2024年02月29日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。